「デジタル体験の創造性」コードアワードでキリン、サンスター等の大手が受賞

【ビジネス ニュース】 平成二十八年七月二十七日、東京・銀座にて『コードアワード二〇一六/D2C』の発表が行われた。前身のモバイル広告大賞から『コードアワード』へと進化を遂げ、三回目となる今年は過去最高となる百三十九作品の応募が集まった。


主催者であるD2Cの代取・宝珠山卓志は「今年のコードアワードでは三つの初があった。一つは議論最長時間を記録、二つ目はタイ・中国等の海外からのエントリがあった。三つ目は海外からの審査員を呼び、グローバルな観点から審査基準の底上げを行った。」と述べ、「ポケモンGOも世界的に爆発的人気となりデジタルに国境はない。そのため審査も厳しく行った。」とグローバル化に伴って規模もグローバル化したと話す。




<各社の誇るアイディア>

 イノベーションの部門では二作品がノミネート。ベスト作品は、日用品・トイレタリ用品メーカであるサンスター(代取:濱田和生)の「G・U・M PLAY」。本品は「楽しんで、効果的に歯みがきができる新たな体験を提供」をテーマに、歯ブラシのハンドル部分にアタッチメントを装着し、Bluetoothでスマホアプリへ送信。歯科衛生士のブラッシングにどれだけ近いかを採点したり、ブラッシングが苦手な場所を情報化する機能が搭載。他にも歯を楽器として音楽を奏でる「MOUTH BAND」、ニュースを読み上げる「MOUTH NEWS」、子どもが楽しんで行えるゲーム「MOUTH MONSTER」等と楽しみながら歯みがきをできる。


審査員の築地Roy良は「子に歯みがきをさせるのはとても苦労するが、このアプリのお陰で自ら進んで“歯みがきをしたい”という様になった。これは本当に素晴らしい、開発してくれて有難い。」と絶賛した。



麒麟と豪州

 クラフトの部門では二作品がノミネート。ベストに輝いたのは麒麟麦酒(代取:磯崎功典)の「GREEN NAME」。淡麗グリーンラベルのKIRINでは、「心地よい“グリーン”なイメージブランドを、自然の表す漢字のアニメーションで訴求。」と日本人なら誰でも名前にある漢字を、象形文字の観点から自然の形を引き出しアニメーションで表現。三千以上の漢字をアニメーション化し、Webサイトで名前を入力すると、自分だけのアニメーションが作れる。作成数は百五十万個を突破し、グリーンラベルのブランドを多くの人に広める事に成功した。


イフェクティブ部門では、豪・政府観光局による「GIGA Selfie」がベスト賞を受賞。スマホで遠隔操作を行い、遠方に設置されたカメラから写真を撮る。観光地である豪州で新たなセルフィサービスを提供し、見事に二桁増で日本人観光客の誘致に成功。




ベンツと日産

 パブリック・ベストに選ばれたのは、メルセデス・ベンツ日本(代取:上野金太郎)の「Next Stage With You」。歌手・パフュームと漫画家・貞本義行、音楽家・中田ヤスタカのコラボによるiPhone向けアプリを開発し、車をもっと身近に感じてもらう。結果として「A-Class」のWeb販売分を完売し、二十七年には日本で過去最高の売上げ台数を記録。更に輸入車で販売台数一位を獲得した。


また審査員特別賞とグッド イフェクティブのダブル受賞を果たした日産自動車(7201.T1)の「INTELLIGENT PARKING CHAIR」。日産の自動パーキングの技術力を、車に興味のない人にも伝えようと開発された。この映像の再生回数は二千六百万回以上、千以上のメディアで取り上げられ、三十億円以上の露出効果を生み出した。政治家の蓮舫もこれは凄いと絶賛し、「自動パーキング技術といえば、日産」というイメージを創り出した。



「コード」とは“デジタル体験の創造性(Creativity Of Digital Experiences)”の略。今年からは主催のD2Cと共に『コードアワード』を盛り上げるスポンサも増え、めまぐるしく変化するデジタル広告を含むマーケティング業界の中で、『コードアワード』は今後も日本を代表するデジタル マーケティングの式典へと進化していく。



『コードアワード二〇一六/㈱D2C』

 記者:原田眞吾×撮影:岡本早百合

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