真に恐れるべきは何も論じないで学びを排除してしまう事

【論説】 報道府は政治への取材を敢行し始めて未だ七年。参議の任期一期分に毛が生えた程度の経験しかない。だが報道府は、若者を含む若手を代弁する報道機関として意見・要望を社会へ政府へ発信してきた。


政治、特に常会に於いては、予算が最も重要である。予算委の報道の多さを見れば、その重要度が分かるだろう。国の方向性を決め、国民が収めた税金と政府が発行する国債につき、配分を決めるのが予算委。だが、国民目線としては予算とは異なる週刊誌程度のスキャンダルの話しや予算にまるで関係が無さそうな質問をしている国会議員がいる。


理由は、国会議員が『国の財務書類(貸借対照表・業務費用計算書・資産負債差額増減計算書)』を読み取れないからだ。その勘定科目がどういったものなのか。何故、その借方に貸方なのか。こういった事を国会議員が知らないで予算委に出席していても、予算の議論が進む訳が無い。だから平成時代は景気が上向かなかった。そもそも予算の議論をしてなかった。


これには国民にも責めがある。例えば、財務省の記者会見や都知事の記者会見の場にて財務書類に関する質問がまるで出ない。重要な書類は会見前に記者達へ配布しているのだが、その資料に真面目に目を通さない記者が如何に多い事か。政治の基本は財務会計なのに、財務会計に関する質問がまるで無い。これでは政治が良くなる訳が無い。


もし今の若者を含む若手が勘違いをしているならば、修正した方が良いだろう。


特に物事を知ってなくとも、論じる事はできる。そして国会を眺める限り、論じて良い。国会は憲法が定める日本国の最高機関なのだから。最上位がやっているなら、良い。


YTにて会計を論じているのは、自民・西田昌司 参議ぐらいではないだろうか。野党の国会議員で政府の財務会計を論じている者は誰か。殆どの国会議員は財務会計をスルーして、各々の主張をしてないか。なら、大丈夫だ。


七年前に参議に当選した新選組・山本太郎 代表も最初は経済学を知らなかったが、着実に学び、MMTという「自国通貨で国債発行ができる国のみの手法(論ではなく事実的な簿記関係)」を知り、今の日本国には財政拡張(国債発行を百兆円単位に)を論じている。会計につき、精通しているとは現状で言えないが、学びを深めている。そういう政治家や国会議員もいるだろう。


この様に、物事に精通してなくとも論じる事はできる。憲法では主権者・国民の「表現の自由(第二十一条)」「学問の自由(第二十三条)」、そして「信教の自由(第二十条)」で保障されている。国は、この自由を侵害してはならない。


どの論を信じるかは、各々の自由(宗教も一つの論)。どの学問を信じるかも自由。刑法に抵触しない限り、どの様な表現も自由である。何人も国民の自由を縛る事はできない。


これには批評や批判、否定の自由も含まれるし、何もしない自由もある。


よって知識が無くとも論じて良い自由もある。そもそも知識が無い、ないし少ない段階で論じ合い、確度を高めていく事こそが学びである。互いに論じ合わなければ、何が間違っているかも顕在化しない。「間違う事は恥ずかしい」とは洗脳であり、「間違う事こそが学び」である。


この「間違う事は恥ずかしい」との流れは団塊世代・しらけ世代が進めてきた事である。だが、これは学びの観点より間違いだ。国会議員も同じで長く議員をやっているからと言って、正しいとは限らない。科学や歴史で分かる通り、“正しい”は時代によって更新・刷新されるもの。更新・刷新される理由は、誰かが論じ合ったからだ。


これは発明・発見だろう。


自民・安倍晋三 前総理は日本史上最高額の国債発行を行った。結果、日本国民の現預金は増え、日本国の信用は落ちず、MMTを立証。先の西田参議は国債は政府の借金であるが、その性質から会計上「みなし資本金」である点を突き詰めた。彼は税理士だ。日本国は資本金が一千兆円超ある。これは大きなインパクトだ。山本代表は左派こそ、財政拡張が必要である点を突き詰めた。弱者保護には大きな予算が必要だからだ。


正しいや情報に完璧は無い。完璧に近づく事はできるが、完璧にはなれない。但し、その過程で新たな発明・発見があり、その都度に更新・刷新された正しいや情報で、その時代の人々の幸福に寄与してきた。歴史が証明している。


論じ合う事は学びである。その学びを以て、誰かを幸福にする事ができる。


ずっと黙ったままでは、誰かを幸福にはできない。誰かが幸福だから、己も幸福。誰もかれも不幸で、己だけが幸福とはなり難い。人は自己と他者の幸福を追求する。世界の中でも物資的に相当、豊かな日本人は、世界へ向けて幸福をシェアする事ができるのではないだろうか。

世界市民の幸福の為に論じ合おう。


それが令和時代にて、幸運にも若手である者が選べる事。

(了)




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