天皇陛下「深い反省」に参列者から「万歳!」の声も

【社会ニュース】 終戦から七十一年を迎えた平成二十八年八月十五日、東京・日本武道館にて政府は『全国戦没者追悼式』を行った。式典には遺族が五千六百人と内閣総理大臣、衆・参議院議長、最高裁判所長官等の千人が参列した。三百十万人と言われる戦没者には軍人・軍属が二百三十万人に民間人八十万人が含まれる。民間人では移民等の国外民間人が三十万人、国内民間人が五十万人。広島の原爆投下では十四万人、東京大空襲では十万人、長崎の原爆投下では七.三万人、沖縄では九.四万人もの民間人が第二次大戦により亡くなった。


天皇陛下は「終戦以来既に七十一年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。」と過去の戦争により亡くなられた戦没者へ深い反省と誓いを述べられ、会場からは「万歳!」の声と共に拍手が起こった。




<安倍総理「万人が心豊かに」>

 安倍晋三 内閣総理大臣は式辞で「我が国は、戦後一貫して、戦争を憎み、平和を重んじる国として、孜々として歩んでまいりました。戦争の惨禍を決して繰り返さない。これからも、この決然たる誓いを貫き、歴史と謙虚に向き合い、世界の平和と繁栄に貢献し、万人が心豊かに暮らせる世の中の実現に、全力を尽くしてまいります。」と述べ、戦争のない国づくりをこれからも行うと共に、戦没者への敬意の念を表した。


大島理森 衆議院議長は平和国家である日本に対し、世界の状況について「国境を越えて対応しなければならない事案が増加しています。」と世界で起こっているテロや紛争について日本の在り方について言及し、伊達忠一 参議院議長は「先の大戦を知る私たちは、同じ過ちを二度と繰り返すことなく、戦争の残酷さと悲惨さを後世に伝える努力を重ねていかなければなりません。」と戦争を知るものとして伝えることの大事さを訴えた。また寺田逸郎 最高裁判長官は「司法に携わるものとして、人間の理性と叡智を信じ、法の支配を通じた恒久の平和を目指して力を尽くしてまいります。」と司法の面から平和を訴えていくと話した。 



 フィリピンのルソン島で父親を亡くした小西照江 遺族代表は、両陛下への感謝を述べた後に「再び悲惨な戦争を繰り返すことなく、世界の平和、命の大切さをしっかり後世に繋ぐ努力をいたしますことをここにお誓い申し上げます。」と追悼の辞を述べた。式典では、正午の時報と共に参列者全員で一分間の黙祷を捧げ、献花の際には今年度から新たに十八歳未満の遺族が、献花者へ花を手渡す献花補助を務めた。


『第七十一回 全国戦没者追悼式/日本国政府』


記者:原田眞吾×撮影:岡本早百合

© FPhime/報道府

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