日台交流イベントにかける「国交回復」の目標は若い世代の活躍

【社会・政治ニュース】 平成二十八年八月十九日に行われた『TAIWANDERFUL(台ワンダフル)二〇一六/スペースシャワーネットワーク、出日音樂股』にて、台湾の総理に当たる行政院長を務めた現・台北駐日 経済文化代表処の謝長延 代表と、バンド「ソニック」のメンバーであり、台湾の国会議員にあたるフレディ・リム 立法委員の二名の主催者が出席した。


同イベントは、台湾の音楽・文化を通して日台の交友を深める、という目的で開催された。謝代表は、開催にあたり「(このイベントは)台湾の音楽と文化を、より多くの日本の方々に紹介する為のイベント。このイベントを通じて、台湾の音楽・文化の魅力を味わってもらい、台湾のトップバンドを通して若い両国の人たちの交流が深まる事を期待します。」と話し、交友の架け橋への期待を込めた。




<日中台の関係クリアに布石となるか>

 またリム立法委員は、「今回で三回目。皆さんの前で立法委員として、この場に立つとは思わなかった。昨年この場所で『来年は必ず当選して戻ってくる』と言ったが、本当に実現できて嬉しい。」と話し、「ただ身分が違うだけではなく、立場が違うという事は責任も伴ってくる。」と、昨年とは違う立場に喜び、責任も負った。


“日台交友”がテーマである同イベント。これから日本政府との関わり方について質問をすると、謝代表は「これからの将来はもっと大きくしていきたいと思う。若者の交流には期待をしている。」と明言は避けたものの、次世代への期待をアピール。またリム立法委員は、「両国の交友的な関係は政治だけではなく、民間ベースが大事。その中で音楽や文化の繋がりで、どんどん広がりが大きくなってきていると思う。」とし、日台の関係について「国際的な立場もあり、なかなか台湾と日本は正式な国交を交える事が出来ないが、その前にこのイベントが一つのステップになれば、将来には正式な国交に繋がると思う。」と国交問題について触れ、若い世代の活躍が必要不可欠であるとした。



日本は台湾を国と認めず

 来年以降の同イベントの目標について、リム立法委員は「これからも、どんどん拡大していくと思うが、毎年恒例と言う様になり、ただライブに出演する為だけではなく、本来の目的であるライブ後のアルバムを出したり単独ライブを行う等、その先の活動に重点を置いて続けていきたい。立法委員と言う立場からしてみれば、台湾の政府は日本をものすごく大事にしている。是非、このイベントを通して外交を深め、国会で外交委員会に属しているので、その中でも様々な働きかけをしていきたい。」と、これからも国交を目指した交流を行っていきたいと述べた。


十月には政権交代に成功した蔡英文 総統が、台湾の行政院(内閣に相当)の政務委員に米アップルのコンサルティングを行う三十代のプログラマ・唐鳳が就任する予定。政務委員は閣僚級の職位だ。若者の支持で蔡総統は選挙を勝った。中卒の唐に新台湾が懸かる。


報道現在で、日本は中華民国(台湾)を国と承認してない。昭和四十七年の「日中共同声明」により、昭和二十七年に中華民国(台湾)と締結された「日華平和条約」が失効。日台の国交は断絶し、日中の国交が正常化し、今に至る。尚、日本は明治二十八年から昭和二十年まで、中華民国(台湾)を統治していた。


TAIWANDERFUL(台ワンダフル)二〇一六/㈱スペースシャワーネットワーク』 

 記者:原田眞吾×撮影:金剛正臣

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