米国のデジタル広告予測(令和三年)|米・Integral Ad Science

【ビジネス報道】 令和二年十二月二十四日に広告配信管理の世界マーケット リーダーである米「インテグラル アド サイエンス(CEO:リサ・アッツシュナイダー)は、三年のデジタル広告のトレンド予測『Industry Pulseレポート 二〇二一年 アメリカ版』を発表した。


レポートは同社が全米の広告業界の専門家二百人以上を対象に実施したアンケート調査をまとめたもの。デジタル動画やコネクテッドTV(CTV)、プログラマティック(即時自動買付け)広告取引、ソーシャル メディア広告に関する課題が広告業界の優先順位のトップを占めた。日本の業界関係者を対象とした日本版は、一月中旬頃の発表を予定。



<高度なターゲッティングへ更に投資>

 コロナ禍でCTVでの「動画ストリーミング配信」は本年、驚異的な視聴者数の伸びを記録。視聴率回復を望む従来型TVの期待を打ち砕いた。回答者の九割が、三年には更に従来型TV広告からデジタル動画・CTVへの広告シフトが加速すると予測した。


デジタル動画・CTV広告プラットフォームが提供する、より詳細なデータとコンテキスト(文脈)に基づいた高度なターゲティングは、投資される広告予算を更に拡大させる可能性があると同社。回答者の八割が、CTVは従来型TVと比較して広告キャンペーンの最適化の為の豊富なデータと分析結果を提供していると答えた。



ソーシャル メディアは削減か

 ソーシャル メディアの影響力を否定できないが、マーケティング担当者はソーシャル広告の透明性に疑念の目を向けている。これは、三年のソーシャル広告予算に影響を与える可能性がある。ソーシャル メディアがブランド毀損リスクとビューアビリティ(閲覧可能比率)に関し、「十分な透明性を提供していると思う」と回答したのは僅か二割弱。回答者の六割が、メディア品質の計測基準が不十分である為、三年に「ソーシャル広告費を削減する可能性が高い」と答えた。


三年に向けてプログラマティック広告は、引続き大きな成長可能性を示している。マーケティング担当者は潜在的なリスクを懸念しており、更なる検証の必要性を訴えた。回答者の六割弱が、ブランド価値を毀損する可能性のあるインシデント(危難事態)が発生する可能性が最も高い媒体として、プログラマティック広告を挙げた。同社は、新技術の登場と業界パートナシップの強化により、三年はプログラマティック取引の透明性が更に向上すると予測した。



5Gのゲーム&モバイルの影響

 六割は、5Gネットワークの普及がモバイルゲームや広告に齎す影響を最重要視。七割弱はモバイル アプリ内のコンテンツを解析・評価する高度な技術が、モバイル端末におけるコンテキスト広告にイノベーションを齎す原動力になると予測した。


データ プライバシ規制強化の影響を受け、メディアの専門家達はこれまでもコンプライアンスを確実にする為の様々な対策を行ってきた。しかし、業界関係者の半数近くにとってサードパーティ・クッキーの非推奨化は依然としてデジタル マーケティングの最大の課題。元年末に実施した本調査では、プライバシ規制に関する法的な対応が焦点だったが、三年に向けて「クッキーレス」が広告効果指標の計測に与える影響をより重要視している。


画像:Integral Ad Science

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