『CESA二十周年講演』日本ゲーム産業のこれからの課題は「人材育成、国との連携」

【社会・ビジネス ニュース】 平成二十八年九月十五日から四日間に亘り千葉・幕張にて、『東京ゲームショウ二〇一六(TGS)/コンピュータエンターテインメント協会(CESA)、共催 日経BP』が開催された。二十周年となる本年は三十七の国と地域から、過去最多となる六百十四の企業と団体が出展。出展タイトル数は千五百二十三となった。今回初めて設置されたVRコーナーには六つの国・地域から三十五社が出展し、全体でのタイトル数は百十となった。


ビジネスデイ初日には、TGSフォーラム二十周年記念講演『未来へ引き継ぐCESA設立の思い〜CESA二十年の歩みと将来〜』が開催され、カプコン(9697.T1)やコーエーテクモHD(3635.T1)、セガHD等の日本ゲーム界を代表する多くの実業家が集結した。五年にスーパーファミコンが絶頂期に達し、世界各地ではゲーム関連のイベントが多数開催。六年にはセガサターンやプレイステーション、TGSが初開催となった八年にはニンテンドウ64、ゲームボーイポケット等のの新ハード、ポケモンやたまごっちと一斉風靡した商品が発売され、ゲームの在り方が大きく変わった時代であった。これ迄の子どもの遊びから、家の中でのエンタメとしてゲームは大きく様変わりをした。




<ゲーム産業に合った労働基準を>

 その頃の国内のゲーム産業においては、海賊版や中古販売等の著作権に関わる問題が浮上し、全てが順風満帆にはいかない事もあったと振り返った。その都度でCESAは問題に取り組んできた。ゲームショウ自体の収益の問題や、ソーシャルゲーム協会との合併、ランダム型アイテム提供方式への運営ガイドラインの作成等と今日迄に様々な課題を達成してきたと自負した。セガHD代取、且つCESA会長・岡村秀樹はこれらに対し「技術が進化して、新しいビジネスモデルや遊び方が普及すれば、改善すべき新しい課題も出てくる。ゲーム産業の発展にどれだけ寄与出来るかが使命。」と話した。


またカプコンの代取・辻本春弘は、これからの課題に「優秀な学生を即戦力として業界に呼び込める様に取り組んでいき、人材育成に力を入れていきたい。」と語った。一方、コーエーテクモHDの代取であり、CESA設立発起人・襟川恵子は、国と一体化してクールジャパンを盛り上げて欲しいと次世代を鼓舞した。「諸外国では、国を挙げてプログラミング教育に力を入れている中、日本は極めて遅れている。」と指摘し、併せてゲーム産業に合った労働基準も定めて欲しいと訴えた。同じく発起人でカプコンの代取、且つコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の理事長・辻本憲三は、“価値”を幾重にも亘り発した。これ迄の二十年とこれからの二十年は競争要因等も変わる為、各々の価値創造を促した。


最後に岡村会長は、今後のCESAについて「CESAは漸く成人式を迎えたばかりで、その機能は古くからある産業団体と比べるとまだまだ限定的。他の団体の活動を参考にして、自律的でありつつも、隣接産業や行政の支援も受けながら成長していきたい。」と述べ、これからもゲーム産業に力を注いでいく意志を示した。


林花音/㈱プラチナムプロダクション

ユリコタイガー/㈱ドリーム・ネットワークス

一瀬優美/㈱イースマイル


『TGSフォーラム二十周年記念講演「未来へ引き継ぐCESA設立の思い〜CESA二十年の歩みと将来〜」/㈳コンピュータエンターテインメント協会(CESA)、共催㈱日経BP』


撮影記者:原田眞吾(最下部は東京ゲームショウ内の各社ブース前)

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