大阪市の予算・二兆円はコロナ対策・インフラ・教育へ、今後も慢性的な赤字体質

【財政・教育報道】 大阪市(市長:松井一郎)は、令和三年二月十六日に『当初予算案』を発表した。一般会計は一.八兆円。前年比で三.四㌫の増。一般会計・特別会計の合計は三.五兆円。前年比で二.六㌫の増。


スローガンは「豊かな大阪の実現に向けて」。世界に存在感を発揮する日本の「副首都・大阪」の確立・発展を目指す。


以下が大阪市の市政運営の基本方針。将来世代に負担を先送りする事のない様、財政健全化に着実且つ積極的に取組むと共に、限られた財源の中で一層の選択と集中を全市的に進める。

  1. 豊かな大阪を目指した政策推進
  2. 市民の暮らしの満足度向上を目指した市政改革
  3. 新たな自治の仕組みの構築



<市債をコロナ期でも増やせず>

 「市債残高」の全会計ベースは、十七年連続して対前年度比で減少し続けている。コロナ期だが、本年度も市債発行額を減らす。大阪市の財政健全化を優先させる為。国とは異なり地方自治体は貨幣発行できないので、返せる見込みが無いと市債は発行できない。


本年度の収支は▲二百三十億円。来年度はプラマイ〇の予定だが、今のままでは今後十年間で赤字が続き、十二年度に再び▲二百億円に陥る計算をしている。大阪市の現状・未来は厳しい。


人口は、平成二十一年と比べて数万人単位で減少傾向。子ども・若者・若手の階級別(年齢別)で診ると、二十四歳未満と三十代の人口を大阪市は減らしている。



教育関連にも力を入れているが

 当初予算案はコロナ対策が主眼。教育関連では「学校給食費の無償化」「家庭でのオンライン学習環境の整備」「児童虐待 防止対策」「高品質な学校教育の推進」「子どもの貧困対策」等と施策数は多いし、的も射ている。だが、プレゼン資料を眺めると分かる通り、至って魅力的な自治体に見えないだろう。


ビジネス関連では最初に持ってきたのが、新設「新型コロナウイルス感染症の影響を受ける飲食店等への上下水道料金の特例減免」。七十一.二億円を計上している。新設「中小企業DX加速化 支援事業」には〇.四億円を計上。


一方、四年後の「国際博覧会 推進事業」には四十二.四億円を割く。「夢洲地区の土地造成・基盤整備事業」に至っては百七十六.六億円。因みに、主眼である拡充「新型コロナウイルス ワクチン接種事業」は百六十七.三億円。大阪市民にとって、夢洲と国際博覧会はコロナ対策並みに重要な模様。


他にも、十億円単位で新大学の設置や百億円かけて「大阪中之島 美術館の開館」、四十億円の「博物館 施設運営費 交付金等」が並ぶ。二百四十億円の高速道路や百億円ちかい鉄道ネットワーク、防災にも力を注ぐ。「インフラ施設・市設建築物の維持管理」には一千二百億円。



 但し一般会計の内、「子ども・青少年費」と「教育費」の割合は二十四.五㌫、全体の四分の一も占めている。本稿より、子育て世代への大阪市の想いは伝わっただろうか。一度、プレゼン資料を眺められたい。松井市長の記者会見の動画は、埋め込みを禁止している為、本稿に埋め込めない。


尚、本予算案を審議する第一回・大阪市会「定例会」は三月二十六日まで。


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