元号が変わる、それは革命が起きるという事『生前譲位』

【政治・社会論説】 平成二十八年十月十八日に報道各社が今上天皇に限る生前退位「皇室典範の特例法制定」について、安倍政権が三十年に皇太子殿下に譲位する可能性を報じた。皇太子殿下が即位すると、慶応四年(一九六八年)に制定された『一世一元の詔(ミコトノリ)』を基とする「元号法(一世一元の制)」により、即位日に新元号が適用される(即日改元)。


改元は日本を大きく変える。昭和から平成、大正から昭和、明治から大正。それは昭和生まれと平成生まれに何がしかの違いを感じる国民達が、よく知るところであろう。日本近代史に視れば、非常に静かな革命である。革命には、そもそも王朝の交替が第一義である。その国のトップが変われば、その国の社会は変わる。よって、社会が大きく変わる事も革命と云う。

詰まり、日本は早くて二年後に真の革命が待っている。



<日本の静かで緩やかな革命を俯瞰する>

 近代の最初の革命は江戸時代から明治の「明治維新」。徳川幕府がもっていた実質的な統治権が、明治天皇に移譲し、大日本帝国の総攬者(司法・立法・行政・軍部の上)となった。ちょんまげから僅か二十八年後にアジア最強と云われた清(現中国)に勝ち、三十八年後に世界最強の海軍を持っていたロシアに勝った。明治政府は富国強兵を推し進め、日本は列強入りした。江戸と明治では全く異なる社会になった。


明治から大正では、戦争へ直接参加しなかった事もあり、「大正デモクラシ」という民主主義・自由主義が大きく発展した。その対象は、政治や文化等と社会に言論を根付かせた。普通選挙への実現や男女平等、労働の団結権等、大正時代に現在の民主主義の根幹が出来上がったと言っても過言ではないだろう。


大正から昭和では、前半で欧米の植民地政策を背景に軍部が台頭。アジア人蔑視を打開する為、最悪期とも云える戦争へ突入し、昭和天皇が終戦を決断。改憲され、天皇は象徴に。後半で焼け野原からの高度成長期、バブル発生で「Japan as No.1」とまで復興する。激動の昭和であった。


昭和から平成では、バブル崩壊の後処理と技術革新により、力任せな面より冷静さや賢さを重視。今上天皇は象徴天皇(平和天皇)の模範をお示しになられた。国民は平和裏を常に、リスクを採らない傾向に。世界はグローバル化という米国化が進み、働き方や価値観が大きく変わった。


平成から次の元号へ

 平成生まれは初の改元、昭和は二回目、大正は三回目となる。必ず日本は変わる。如何様に変わるのだろうか。皇太子殿下のご意向が国民を左右する事は間違いない。現に、生前退位は天皇陛下のご意向で輿論が沸き立っている。閉塞的な日本に違う日本が待っている。


その時代を創る者は、その時代を生きる大人達。皇太子殿下、雅子妃殿下の時代に国民は心すべきであろう。


写真提供:報道府

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