令和七年までの特例公債は何を意味するか、どんな未来があるか

【政治・財政考察】 令和二年度末迄に三年度『当初予算』が成立する(衆議院の優越)。本年の予算成立は、今後の日本国にとって最重要なものになるかもしれない。


それは七年までの五年間に「特例公債」を発行し続ける、という複数年に亘る約束だ。この特例公債というのは「普通国債」の一種。他には「建設国債」と「復興債」がある。計三種。特例公債は政府にとっての赤字国債となり、国民にとっては黒字国債となる。ただ、菅内閣の場合は貸付けを前提としているので、所得増ではなく、国民の資産増となっている。これは会計学において、事実上の政府から国民への出資に他ならない(債務免除等)。



歳入内で賄う建設国債で不足する場合に、政府は特例国債を発行する。主に公共事業以外を使途とする。通常は、特例的に一年限りと『特例公債法』が定めるが、コロナ期は異常期の為に菅内閣は一年ではなく、五年間纏めて特例公債を発行する事を決めた。菅義偉(戊子)内閣総理大臣は、三月五日の記者会見で「(今迄よりも)一段、対策を徹底する決断をしました。」と述べたのは、五年特例公債の財源の裏付けからであろう。




<国債バズーカ砲は令和七年迄>

 閣法「特例公債法の改正案」は二月に審議入りしている。三月二日に衆院にて可決、報道現在で参院にて審議中。可決の見込み。主な改正点は以下の二点。


  1. 「平成二十八年度から平成三十二年度迄」を「令和三年度から令和七年度迄」に改める;更新
  2. 「平成三十二年度迄の国及び地方公共団体のプライマリーバランスの黒字化」を「同項に定める期間が経過するまでの間、財政の健全化」に改める


先だって、二月二十四日に参院・財務金融委にて麻生太郎(庚辰)財務大臣は、「向こう五年間、特例公債を出さずにやれる状況にはない。」と日本経済の状況を認識し、語気を強め、複数年に亘る特例公債の発行更新に疑義がある立憲・野田佳彦(丁酉)元総理を牽制していた。



二百五十兆円を国民へ直接投資か

 前・安倍内閣ではコロナ禍で特例公債/年の限界を突破。国政史上初の五十兆円に引上げた(補正予算分を含む)。現・菅内閣も引継ぎ、本年度の特例公債/同を「当初予算」の段階で三十七.三兆円計上。二年度の「当初予算」段階では二十五.四兆円だった。実に十兆円以上も積み増している。


予算が成立すれば、五年間の初年度である本年の特例公債 基準額が決まる。その額、およそ四十兆円。その後の数回の補正予算を重ね、特例公債だけで五十兆円/年を常態化。今後の五年間で実に二百五十兆円を国民へ投資できる。経済再生後に税収増大を以て、財政再建をしたい。


再掲だが、特例公債の使途は主に公共事業以外。


ワクチンはあるものの変異株が生まれる以上、コロナ期は終わらない。その間、経済のダメージを補填するだけでなく、この機に乗じて「DX」「Gニューディール」を以てV字回復以上を目論む。そういった意志の表れが今回の五年連続 特例公債となる。未来での財政再建を捨ててない。




<強い円へ>

 国民所得が増大し、税収も増大すれば財政再建に向かう。財政再建が目指す所は“強い円”だ。円が弱いと国民の生活は困窮する。国そのものが貧乏になる。“強い円”こそが子どもや孫の未来世代への安定資産となる。


だが、今は“強い円”を築き上げる前に高・生産性の仕事(出力)が必要だ。国民がしっかりと働き、税を多く納める事こそが、未来安定。日本国民がどれだけ仕事ができるのか、どれだけの生産力をもてるのか。ここがポイントとなる。



エコなDX武装・働きアリ(ver.Fly)

 世界で日本国が信用されるのは、借金をしても、ちゃんと働いて返してきたからに他ならない。だが、いつの間にか日本の富裕層を筆頭にキリギリスの様な働かない、税金を納めない人が増えてしまった。これでは信用が下がる。未来を食い潰している。依って、元の働きアリに戻る必要性があるだろう。


但し、ブラック霞ヶ関の様な昭和・帝国陸軍の働き方では駄目だ。これでは、ただの人海戦術だ。第二次大戦を反省してない。狙うべき働きアリは、DX武装化されており、地球に優しいエコな働きアリである。帝国海軍の発想が欠かせない。そして尚且つ、世界へ自由自在に飛べる羽を付ける。


無論、財務省の妨害や国民の無協力で額は変わるが、五十兆円/年の特例公債を組込んだ総・国家予算/年は二百兆円となる。それを五年間で一千兆円。この甚大なお金を日本国・国民へ投資し得る。日本建国以来、最大の投資額だ。この時期に若者・若手である者は幸運である。大いにこれを享受、これに挑戦できる。


記事:金剛正臣

画像:財務省強い円は日本の国益/Amazon、強い円 強い経済/同

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