中小用に『省エネ改修効果診断ツール』を、都は環境先進都市でNo.1を目指す

【社会ニュース】 平成二十八年十一月四日に行われた「都知事記者会見」にて、小池都知事は同日に発行された『パリ協定(気候変動)』について触れた。各国が批准を終えた中、日本は批准が間に合わずに出遅れ。「今回の締約国会議にも正式に参加できない事は、非常に残念。」と、環境技術系でリードしてきた日本のリカバリ(修復)を心配した。国内新聞社等も厳しい論調を出した。遅延の原因は国会運営。


『パリ協定』は、三十二(二〇二〇)年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みで、「京都議定書」の代わり。七日からモロッコにて「COP22」が始まった。会期中の「第一回締約国会議(CMA1)/パリ協定」に日本は議決権を持たないオブザーバ参加だ。




<六年でCO2を四分の一削減した>

 東京都は環境に関して、先進的な取組みを行ってきた点を都知事は伝えた。都内のオフィスビルへのCO2削減の義務付けとなる「総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)」だ。六年前から開始した同制度は、大規模(前年度の燃料・熱・電気の使用量が、 原油換算で年間一千五百㌔㍑以上)事業所にCO2排出量の削減義務を課すもの。オフィスビル等も対象で世界初の都市型キャップ・アンド・トレード(排出権取引)制度となる。


第一期「二十二年‐二十六年度」の結果は、基準年度比で⊿二十五㌫、千四百万㌧もCO2を削減した。この量は百三十万世帯で五年分のCO2排出量に匹敵する。内訳は九割が自助努力、一割がキャップ&トレード(基準に満たない組織は、金銭で代替)となった。



東京都は環境でも世界一を目指す

 一方の中小規模の事業所への対策として、都は表計算ソフト「省エネ改修効果診断ツール」を用意し、同日より環境局HPにて提供開始した。同診断ツールに、年間エネルギ使用量や改修前後の設備情報等を入力すると、省エネ改修効果を簡単にシミュレーションできる。シミュレーション後の診断書には、「建物概要」「ベンチマーク評価」「省エネ性能」「削減効果」を表示する。企業にとっては、排出権取引も財務に寄与する。


都は十五年以内に都内の温室効果削減目標を、十二年度比で⊿三十㌫と野心的。『パリ協定』では、今世紀後半に温室効果ガス量をゼロに掲げ、産業革命前からの気温上昇を二度未満に抑える。報道現在で既に一度近くも上昇している。本協定における温室効果の削減目標に関しては、具体的な数値を盛り込んでいなかった。数値を盛り込んだ点で都は攻める。日本自体は十五年以内に、二十五年比で⊿二十六㌫を掲げている。


また世界八十以上の都市が連携し、気候変動対策に取組む「C40(世界大都市気候先導グループ)」の運営委員に、小池都知事が選出された旨を伝えた。「C40」の意思決定機関となる運営委員会都市に東京も入っている。「地球規模の環境問題の解決に向けて、東京都としてのリーダーシップを発揮していきたい。」と、小池都知事は世界都市間での環境主導権を握る目論みだ。



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