【ビジネス報道】 新経連(代表理事:三木谷浩史)は、令和三年三月十八日に「要指導医薬品」のネット販売規制に関する行政訴訟に対してコメントを発表した。『対面販売』の原則撤廃を訴えている。
対象は『薬機法(旧・薬事法)』。同日に最高裁(裁判長:小池裕)にて判決、Rakutenダイレクト(現・楽天)の上告は棄却された。
以下がコメントの抜粋。
処方箋医薬品と比べて相対的にリスクが低いものとして分類されている要指導医薬品については、薬剤師によるオンライン服薬指導を活用した販売を一切認めないというのが現在の法制度であり、コロナ特例の対象にもなっていません。
このような制度は、著しく時代錯誤のものであると共に合理性を欠いており、要指導医薬品を購入しようとする者のアクセスを不当に制限していると認識しています
今回の判決は、平成三十年十一月の状況を前提としたものであり、その後のスマートフォンのさらなる普及や薬機法改正でオンライン服薬指導が解禁された事、昨今のコロナ禍での状況等は一切考慮されていません
デジタル庁設置に併せて社会全体のデジタル化が強く求められていく中で、要指導医薬品もコロナ特例として緊急対応すると共に、一刻も早く、薬機法それ自体の改正により対面原則を撤廃する事を改めて強く要望致します
立法府次第
医薬品は「薬局(A)」「要指導(B)」「一般用(C)」に分けられる。今回はBに関する事案。Cに対面販売の義務はなく、Bに義務がある。今回の判決に至った理由を最高裁は、安全性とBの市場規模(B+Cの合計の内、Bは一㌫未満)を挙げた。
前者につき、電話やネットは対面販売に劣るという前提。Bは医療用医薬品としての実績がある「スイッチITC」と実績が無い「ダイレクトOTC」に分け、適宜、調査期間を以てCとなる。最高裁は、同法を作った立法府を「合理的裁量の範囲を超えるものであるという事はできない。」とした。
そもそも同社は薬機法・三十六条の六「第一項」等が、憲法『職業選択の自由(二十二条「第一項」)』に違反すると主張。最高裁は棄却に当たって「論旨は、違憲を言うが、その前提を欠くものであって、民訴法三百十二条一項及び二項に規定する事由(上告事由)の何れにも該当しない。」とした。
尚、新経連は現・法案『デジタル改革関連』において、十一年前の設立当初より主張していた「書面原則・押印原則」の見直しは略実現。残るは『対面原則』の見直しとなる。アナログ改善には司法・立法・行政を動かさなければならない。新経連としては三権と対峙し、既に十年も経過している。
司法は仕方ないが、日本は余りにも遅過ぎる。
画像:㈳新経済連盟
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