【高級ファッション ニュース】 平成二十八年十月二十一日に東京・渋谷にて、AFWTの一環としてファッション デザイナ・小篠ゆま(戊申)によるブランド『YUMA KOSHINO/ユマコシノ アソシエイツ』の二〇一七春夏コレクションが発表された。コレクションのコンセプトは「Optical Illusion」。エッシャーの絵画の様に立体的な錯覚・視覚効果を軽快なグラフィックと素材感で表現した。
見方によって鳥にも草木にも見えるグラフィックの中に、二つのストーリを入れていく、というのが一つのテーマだ。もう一つは、エッシャーの絵画にもある上から流れる水が下から上がっていく様に、洋服のアウトライン自体も上から下がっていったものが、また上がってくる様なエターナルに巡回していく形状の取り方を行ったと小篠は話す。
<デザインが織り成す色の可能性>
ルックを見ると視線は一点に集中せず、上から下に、右から左に流れる様なデザインが多く、小篠の意図する視覚効果が強く感じれた。ファースト ルックではアルチザン ジャガード、続いてデニムで立体的なデザインを表現し、随所に現れるグラフィック プリントやジャングル プリントが、より幻想的な世界観を出した。
視覚効果を意識したデザインによって、色は新たな表現を得た。その色の輝きや温もり等、色の可能性を拡げた。終盤にはエッシャーの絵画の様なプリーツのドレスが登場。一方向ではなく、多方向からの動きを出した小篠は「ライト ウェイトな素材で、風を含みながら、どういう動きをしていくかを最後のシーンで表現した。」と話した。
ショーの音楽へ拘り
小篠の拘りは音楽にも。音楽レーベル「Blind Spot」を立ち上げており、レーベル名の意味である「盲点」は、小篠の物作り自体の考え方と共通する。デビュー当時から音楽作りが好きだったと明かし、「ファッション ショーの音楽は、誰かの借り物が殆ど。そうすると上手く合わせても辻褄が合わなくなる。」と音楽からもファッションを表現し、“見るだけではなく着てみる、聞いてみる、肌で感じてみる”という感覚を合わせて、立体的に音でも表現した。
「良いものを着続けると、マンネリ化する。そこを音楽や視覚やカッティングで切っていき、ラグジュアリの中にもシャープな緊張感を持たせる。」と小篠は示した。
『YUMA KOSHINO/㈱ユマコシノ アソシエイツ』2017S/Sコレクション
記者:原田眞吾×撮影:岡本早百合
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