皇族が総裁職に並ぶ日本赤十字、今年は難民問題|NTファンミーティング

【社会ニュース】 日本赤十字社(社長:近衛忠輝)は毎年、日本放送協会(会長:籾井勝人)と共同で十二月にキャンペーン「NHK海外たすけあい」を全国で実施している。その一環として同社東京都支部(支部長:小池百合子)は、平成二十八年十二月三日に東京・京橋にて『NTファンミーティング クロストークライブ2』を開催した。NTは同社の機関紙の名前。名誉総裁には皇后陛下、名誉副総裁に皇太子殿下・同妃殿下、秋篠宮妃殿下、常陸宮殿下・同妃殿下、三笠宮妃殿下、寬仁親王妃信子殿下、高円宮妃殿下。


同ライブの目的は国際情勢に気づき、考えるきっかけを提供する事。今回は難民問題を取り上げた。初めにショートフィルム「新しい天使」と「パパ」の二本を上映。後者は国際短篇映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア二〇〇七」でグランプリを受賞した。ゲストの写真ジャーナリスト・安田菜津紀(丁卯)は、二十代ながらも世界の貧困や災害をテーマに取材を続けている。上映されたシリア(人口の半数が難民の国)に関する二本に対し、「なかなか言語化するのが難しい。」と感想を切り出した。大人が労働を許されない環境下で子どもが適法・違法にか関わらず働いている点や騒乱「アラブの春」後の現実の点等、フィルムの背景を説明しながら問題提起した。




<民主主義が故の限界>

 QAでは四問が来場者より出た。内、人道主義に関する問いが同ライブの趣旨に一番適っていた。宗教的な代理戦争が行われ、子ども達に被害が及んでいる現状を踏まえて、「何故に、人道主義が世界で理解されないのか。何故に、そういった輪は拡がらないのか。」と安田へ投げ掛けた。安田は報道、ニュースの特徴や世界の興味減少を挙げ、SNS等を利用した対策を提案。「誰もが発信できる時代。むしろ、これからなんだ。」と個々人での情報発信を促した。


世界的に民主主義の限界が見えている。極端な政治介入は該当国の民主主義を蹂躙する。民主主義を重んじるが故に、行動が縛られている。先進国による直接関与が難しく、該当国の国民達が立ち上がる他、無いのが現状だ。赤十字等の様に外からの支援が肝となるだろう。世界の赤十字に目を向けると、昨年は「ネパール地震救援金」として二十億円、二十五年に「フィリピン中部台風救援金」で十八億円、二十四年に「中東人道危機救援金」で一億円を支援している。



寄付金は略全額損金算入

 本年度の日本赤十字社の計画では、二百八十二.六億円の予算が組まれている。一昨年と比べて、およそ百六倍と増加。同社は寄付金で賄う。計画によれば、最も割合が多い項目は「救急法の講習」「ボランティア活動」「広報活動」の三十一.九㌫、次いで「総務費」「保険料等の負担金」等の二十四.三㌫。都支部では、満十五歳以上の健康者を対象に「救急法基礎講習(五時間)」を千五百円で、「幼児ワンポイント講習(二時間)」を百六十円(応急手当)と三百二十円(心肺蘇生)、「一日介護講座(四時間)」を百円で行っている。また講習の前後に知識の習得として電子講習室「WEB CROSS」も公開している。


地域や企業等を対象とした「赤十字減災セミナ」を開催。講演(四十から八十分)と実技(四十から百八十分)からなり、どちらか一つでも可能だ。問合せは救援課講習係。他にも命を救う知識と技術を身につける為、指導員の派遣も行っている。講習は救急法、水上安全法、幼児安全法、健康生活支援講習がある。尚、同社への寄付は個人・法人共に税制上の優遇措置があり、略全額を損金算入できる(都民税も含む)。寄付金の損金算入限度額を超えて損金算入できる寄付や個人の相続税で課税価格へ算入されない寄付もある。問合せは振興課。


『NHK海外たすけあい二〇一六「NTファンミーティング クロストークライブ2」/日本赤十字社』


画像引用:皇太子殿下御夫妻、献血大会に/世界日報

撮影記者:金剛正臣



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