IR推進法(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)の要約

【政治考察】 平成二十八年十二月二十六日に『IR推進法(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)』が公布・施行した。三章と付則、全二十三条から成る。政府は一年以内に『IR実施法案』を提出する旨が記されている。IRとは、統合型リゾート施設の事。


本法の目的は、観光地域経済の振興への寄与だ。IRが国の財政の改善に資するとみている。基本の理念や方針等を定め、IR推進本部を設置し、集権的に国が行う。第一章は総則、第二章で基本事項(方針・カジノ管理委・納付金)、第三章でIR推進本部の構成となっている。




総則

 第一章は五条ある。「特定複合観光施設」とはカジノや会議場、レクリエーション、展示、宿泊等が一体となっている施設の事。設置主体は地方公共団体。国が区域を認定をする。基本理念には、真に国際競争力の高い滞在型観光の実現と健全なカジノ施設の収益の社会還元とある。国はIRの整備を推進する責務を負う。政府は第二章の規定の為に法制上の措置を講ずる場合、本法施行一年以内を目途にしなければならない。



基本事項

 第二章は八条ある。IR区域が観光地の中核機能を備える為に、政府は措置を講ずる。IRで国際競争力の強化と就業機会の増大が図られる様に、政府は民間資金・経営能力・技術能力等を活用する。政府はIR構想の内で優れたものに反映措置を講ずる。カジノ施設関係者は「カジノ管理委」に従う義務がある。政府はカジノにつき、八事項(ゲームの公平基準・チップ・暴力団排除・犯罪予防等・風俗環境の保持・広告宣伝・青少年保護・カジノ利用者への悪影響防止)の措置を講ずる。主に日本人の入場規制を政府は講ずる。

「カジノ管理委」は、内閣府の外局。

国と地方公共団体は、別法にて納付金と入場料を徴収可。



IR推進本部

 第三章は十条ある。内閣に本部を置く。事務は三つ(総合調整・法律案と政令案の立案・連絡調整)。本部の主任大臣は総理。本部は本部長、副本部長と部員で組織される。事務の総括と職員の指揮監督を行う本部長も総理。副本部長は国務大臣。部員は、部長と副部長以外の全ての国務大臣。本部は関係組織の長ないし代表者(時として彼ら以外)に対して、資料提出・意見開陳・説明等を求める事ができる。

本部に推進会議を置く。会議は総理が二十人以内で識者を任命する。会議内容は公表する義務がある。本部長が会議によって措置を講じた時は、会議に通知する義務がある。本部内に事務局(事務局長)を置く。本法以外の本部の事項は政令で定める。



附則

 本法は公布且つ施行とされ、第三章のみ公布日より三ヵ月以内の政令日で施行する。

(了)

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