【政治論説】 政府は本年『働き方改革』を強く推し進めた。来年一月よりテレワークを推進する企業を後押しする「テレワーク推進企業ネットワーク」の創設や長時間労働対策として社名の公表基準を百時間から八十時間に落とし、正社員の副業と兼業を後押しする「モデル就業規則/厚労省」の原則容認への記載変更等。安部総理は、民進党の支持母体である日本労働組合総連合会(連合)の神津会長と会談し、同一労働同一賃金等の実現の為に協力を求めた。
労働生産性が先進国中で最下位である、日本人の働き方を大きく変えていこうとしている。首都東京もこの流れに乗る。然しながら最も生産性が低いのは、公務員である。GDPを基準としているので、民間によるGDP向上をサポートするのが官公庁であろう。民間のGDP向上を求めるなら、官公庁の生産性に留意されたい。アベノミクスは金融政策、財政政策、成長戦略と経済成長を目標にした。現在は第二ステージの新三本の矢である。「一億総活躍社会」の事だ。その数字の中に、官公庁で働く公務員は含まれてはいないのだろうか。
<行政自身の改革を先に>
まずは政府が率先して、行政組織の『働き方改革』を行うべきであろう。強いて云うなれば、公務員は独特の職務をもっているので、「仕事の仕方改革」でも良い。大企業にテレワークを推奨するならまだしも、資金力と人材力が不足気味の中小・零細企業へのテレワーク推奨には、行政組織が先例を見せなければならない。この効用は甚大だ。六十万人近い公務員の「仕事の仕方」をデジタル化する。彼らの仕事は至ってアナログで、民間であるなれば即、倒産しそうな組織だ。何といっても遅い。
国内首位に君臨するトヨタ自動車は単体で七万人、連結で三十四万人近くの使用人を有す。もしトヨタが行政組織の様なアナログ手法であったら、世界首位とは無縁だろう。民間をサポートする行政六十万人の「仕事の仕方改革」がアベノミクスの使命なのだ。安部総理は行政府の長として、自身の管理する組織の改革を断行できるか。他方、小池都知事は都庁の『働き方改革』に着手している。安部総理は官公庁の「仕事の仕方改革」により、アベノミクス史上最大の効用を得る事が可能だ。
何故ならばビジネスや生活は大抵、行政組織の手続き(公務員の仕事の遅さ)でスローダウンしてしまうからだ。アベノミクスを止めている真の主体は、各行政組織である。
写真引用:働き方改革実現会議/首相官邸
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