小六の六社がビジネスし、五社が黒字に|キャリア教育推進連携シンポジウム

【ビジネス・社会ニュース】 経産省(大臣:世耕弘成)、文科省(大臣:松野博一)と厚労省(大臣:塩崎恭久)の三省は平成二十九年一月十七日に東京・代々木にて『平成二十八年度キャリア教育推進連携シンポジウム』を開催し、「第十回キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰(甲)」「第七回キャリア教育アワード(乙)」「第六回キャリア教育推進連携表彰(丙)」の表彰式を行った。


本年は過去最多の参加者となり、一千名を超えるユーザが申し込み、受付をストップする程に人気があった。乙丙の審査委員長を務めた東京工科大学の三島良直(己丑)学長は、国立大の存在意義を危惧しながらも「キャリア教育は非常に重要であります。学んだ事を外に出て、どの様に活かすかという所が問われる。大学の教員がもっとキャリア教育を意識して学生に指導して欲しい。」と。また同学が科学技術系である点を踏まえ、「やはり科学技術だからこそ、リベラルアーツ(自由七科)が重要。人間の社会がどうやったら幸せになれるか、という事をいつも考えられる科学技術人材になるべきであろう。」と気概や志の言葉を散りばめながら、教育の根本論について語った。




<帳簿やプレゼン、PRも>

 甲では徳島・鳴門市撫養小学校が受賞した。「ジュニア エコノミー カレッジ」と銘打ち、小学六年生がグループ毎に分かれ、各々が「何を販売するのか」を議論し、仮定的に会社化し、実際に百円商店街で他の中高生らの出店社も交え利益を上げるもの。小学生の十一グループの内、六社が出展した。三時間の営業で、利益合計は五万円近くとなった。赤字は一社のみであった。


ポイントは、遊びではなく本格的なビジネス手順である事。売る立場の視点を学び、商店街でインタビュを実施し現場の商売を調査。次にビジネスマナーや店づくりの計画、帳簿の付け方迄も行った。

商品開発では、原価計算等も含んだ。


その後、十一社による出店コンペを行った。これは、各社の商品販売プランを提示し、収益率等を株主に対してプレゼンを行うものだ。プレゼンのソフトを使いこなし、寸劇等を交えた自由な発想でプレゼンを行った。出店が決まった六社は出店当日までにPRも徹底し、マスコットキャラの制作迄も行った。営業終了後には、小中高合わせての座談会も行われ、中高生達の質の高いビジネスに小学生は学びを得た。



博報堂の創業時の理念は「青少年の教育貢献」

 乙では、博報堂の教育プログラム「H-CAMP」が受賞。同社のCSRの一環で二十五年から行っている。中高生を対象とし、ワークショップや企業訪問、NPO・自治体との連携を通じて自他と社会を学ぶ。企業訪問は二百十八回、来社した生徒数は三千人近くとなった。


丙では、宮崎・日向商工会議所が受賞。産学官が連携したパターンで、対象は小中高生。「キャリア教育」を学力と生きる力を向上させるものと定義し、「よのなか教室」を開始。二十七年度で十五校、九十六回、九千人が授業を受けた。伝えたい事は二点、「働く喜びと苦労」「大人が本気で語る事」。授業を行う先生は新入社員や中堅、社長、シニア等と幅広い。子どもに教える立場になる事で、先生サイドの仕事観を見つめる機会を与えた。


本シンポジウムでは、パネルディスカッション「変わる社会の羅針盤~これからの時代を生き抜く力を育むキャリア教育~」等も行われた。


『平成二十八年度キャリア教育推進連携シンポジウム/経産省、文科省、厚労省』


撮影記者:金剛正臣

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