そもそも「政党支持率」が伸びない理由

【政治考察】 令和三年七月四日に都民が『都議選』にて百合子都政への審判(ジャッヂ)を下す。


その後には『総選挙』が控えている。国政政党は支持者を増やしたか。答えは否。六月十六日にイチニチ(代取:高畑卓)とJX通信社(代取:米重克洋)は共同で全国意識調査(ネット・電話)を公表した。都Fは入ってないものの、参考になるデータである。


直近一年間の支持率の推移を示した線グラフが上図だが、若者寄りなネットの「無支持」は七割に迫る。シニア寄りな電話の四割とは大違い。ネットは自民でさえも二割に満たない。その他の国政政党は時折、微々たる上昇が確認できるものの、ネットで支持者を何ら増やしてないと言えよう。


電話では、自民が安倍内閣から菅内閣への移行で四㌫支持を減らした。その分、立憲は五㌫以上支持を増やした。



国政政党の仕事は何か。支持者を増やす事に尽きる。



その支持者は他党から奪うのではなく、「無支持」から得る。安倍内閣では若者・若手へのプロモーション強化が奏功し、自民の支持者が増えた。ネット戦略を当時の自民は他党に先んじて進めていた。記者クラブに属してない報道府も、多数、安倍内閣を取材できた為、若者・若手からの印象が良くなった面があるのだろう。

菅内閣ではリリース自体が無い為、取材へ行けない。



<無支持の理由>

 特にネットの「無支持」は七割とブルーオーシャンである。ビジネスで考えれば、絶対に手を伸ばすべき市場だ。特に「政治に全く関心が無い」集団ではなく、「政治に関心があるが、政党に興味が無い」集団を狙うべきだろう。


何故ならば、その集団は各政党の魅力を知らないからだ。これは明らかにプロモーション不足、マーケティングの弱さである。HP一つ、「無支持」にとっては見づらい。


そして大きな数字(大ヒット)ばかりを狙い、小さな数字の積み重ね(ロングテール戦略やリーン スタートアップ)を軽んじている背景があるのだろう。経営学の無さに尽きる。今どきは、選挙時の握手一つで候補者を支持しても、政党を支持する訳ではない。ネットで情報をチェックできるからだ。



地方選の十・百の大きさ

 例えば「びずりん」では、今回の都議選より、やや積極的な街頭演説の動画取材を始めた。地方選では初の試みである。立候補者の内、若者・若手が三割を超えた事もあり、注目の候補者を取材した。


現在では各党がYTチャンネルを有し、街頭演説を配信している。時折、「びずりん」と同じ街頭演説がYTに上がる。取材に意味はあるのか。


意味はある。各党のYTは基本的に支持者が観る。又は支持者用に作っている感がある。「無支持」のユーザは各党のYT自体へアクセスしない。アクセスしても、興味が沸くだろうか。そこで「びずりん」では、注目の候補者達を取材し、政党に関係なくチャンネルに並べる。何となく興味が沸いたら、観る。その数字は報道現在で百単位。


十分過ぎる数字だ。都民ならまだしも、他県のユーザは都議選が気になるだろうか。都民であっても、自身が住む選挙区でなければ、他の選挙区の候補者を態々、観るだろうか。それでも「観てみようかな。」と少しでも思って貰える様に意識している。



<「無支持」へ働きかけているのか>

 この十人、百人を国政政党は軽んじるから、政党支持率が一向に上がらない。上がる訳が無い。支持者ばかりにアピールしても一票はそれ以上、増えない。〇票を一票に変える努力、「無支持」が政党支持へ変わる為の努力を怠っている。報道府は決して怠らない。


都議選の候補者に至っては国政と違い、まるで無名だ。そんな無名な候補者の街頭演説をタップ・クリックして頂けるだけ、有難い。都議選は百票・一千票で当落が決まる。にも関わらず、その一割である十人、百人を軽んじていては足下が危うくなって当たり前だろう。その十人、百人は「イノベータ」なのだから。イノベータがいないのに、マジョリティは有り得ない。


そこで一つチェック項目がある。今回の現場でも自身から記者へ挨拶できる候補者・政党はいた。演説の聴衆ではなく、記者への挨拶だ。記者の後ろには国民がいる。報道府の後ろでは、若きイノベータ達が取材対象を観察している。挨拶したのは共産維新自民。共産は応援演説に来た国会議員も挨拶をした。挨拶はビジネスマナーでは基本中の基本。社会人の基本。


初めての取引先でも「お世話になっております。」から始まるのがビジネス。お金を貰う側は鉄則。取材は費用を掛けて行うもの。そういった事が当たり前にできる候補者・政党ならば、記者達が積極的に取材に行き、事実を報じてくれるだろう。共産が今回の世論調査で伸びているには訳がある。



記者としては、二百七十一人も立候補している中で、絞って取材する理由が欲しいもの。



自身を批判するかもしれない記者へも挨拶ができる候補者は、有権者への挨拶もきちんとできると考えるのが普通ではないだろうか。ビジネスマナーができない者を、報道府のユーザへは報じない。その者を間違って信じてしまったら悪いからだ。これは企業も同じ。若者・若手を軽んじる企業は要らない。


着実に「無支持」の者を支持者へと変える努力。決して効率的に挨拶と考えてはならない。効率的に接触された側は、しっかりと覚えているもの。中途半端な打算が、政党の支持者が増えない理由の一つだろう。国会議員等は間違いなく、偉そうである。少なくとも「感じが悪い。」と思っている人が多い。よって、「無支持」の者は偉そうな政党へ票を入れない。実際は偉そうでもないし、感じの良い議員もいる。


偉そうでない政党が出てきた時、仕事相手の記者へちゃんと挨拶・感謝できる様に政党が教育した時、しっかりプロモーション・マーケティングを政党が施した時、ネット七割と電話四割の巨大な「無支持」が動くと断言できる。“ビジネスマナーが国民の基準”である事に疑いは無い。


記事:金剛正臣

画像:【速報】下落が続いていた内閣支持率は?!/選挙ドットコム


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