【ビジネス・政治考察】 政治トレンドへ抗うと儲からない。現在はコロナ禍なので、「ニューノーマル」というDX関連が投資トレンド。事実、巣籠り系ビジネスによって政府は税収増となった(二年度;過去最高六十.八兆円)。政府が後押ししている。
B2G案件を狙うのはビジネスの基本。今後は菅内閣が既に幾度も表明している通り、グリーン(環境)・公衆衛生(医療・健康系)が更に投資トレンド入りしていく。
同盟国の米国でも左派・民主党から統領が出た事もあり、左傾化。これは日米で社会主義寄りの政策が増えていく事になる。但し、資本(民主)主義が壊れる事を意味しない。資本主義の中で左に寄るトレンド。日本では『合本(ガッポン)主義/渋沢栄一』、欧米では『社会民主主義』となる。
儲かれば良い、人の使い捨ては廃れる。
今までは何だったのか。「新自由主義」という。政府が介入しながら社会的公正を重視し、自由な個人・市場を実現したい。対する概念は政府が介入しない「(古典的)自由主義」。日本の場合は昭和五十年代から「新自由主義」。しかしバブル崩壊以降は、小泉内閣を筆頭に政府の介入を小さくした「ネオリベ(新自由主義の一種)」を選択し、失われた三十年となってしまった。失敗した。
日本においては平成前までは「新自由主義」で均衡財政を以て成功していたが、平成以降の「ネオリベ」転向により、大企業と一部の個人のみが資産を増大させる結果となり、所得・資産較差が開いてしまった。その主因は政府による「ネオリベ」立法(閣法)に尽きる。特に税制で大企業と一部の富裕層が優遇されてきた点が大きい。中間層の配当分が吸い上げられてしまった。
この様に、政府が如何様な経済思想・概念を有しているかは、実業家にとって最も重要。
<個人主義からの脱皮>
今までは極論、「金さえ稼げば良い」という日本社会であった。そのトレンドが三十年振りに変わる。人を使い捨てする様なビジネスは衰退していく。これは投資収益率(ROI)が下がる事を意味する。政府は人を成長させ、社会の雰囲気を好転させ、中間層を復活(中間層の所得の向上を)させる。これは冷たい社会から脱皮を目指すものと捉える事もできる。そういった企業がB2G案件を獲得し易くなるだろう。
背景には中国十四億人の『共産主義』がある。これに独裁ビックデータ・国営ビジネスへ対抗する為に日米は左・社会主義に寄る。日本は『合本主義』、米国は『社会民主主義』。国家戦に資するビジネスを政府は応援(劣後債等で事実上の出資を)していく。
既に報道府でも報じている通り、総理候補の岸田文雄(丁酉)元・外相は「新たな資本主義を創る議連」を発足。人に優しい資本主義を目指し、正に新たな資本主義政策を創る準備をし始めている。新たな資本主義は合本主義と重なる部分が多い、と岸田元・外相も答えていた。岸田元・外相が創ろうとしている資本主義には名が無いので、便宜的に合本主義と表記している。
立産の社会民主主義
同時に共産党(委員長:志位和夫)にも変化の兆しがある。先の「中国共産党百周年」につき、令和三年七月一日に志位委員長(甲午)は「中国による東シナ海や南シナ海での覇権主義的行動、香港やウイグルでの人権侵害は社会主義とは無縁であり、共産党の名に値しない。」と断じた。中共とは一線を画す。
それは先の『都議選』でも見られ、日本の共産党は「社会民主主義」の政策を前面に打ち出し始めている。中小・零細の救済を声高に訴えていた。他方、公明党(代表:山口那津男)及び創価学会(名誉会長:池田大作)は中共百周年へ賛辞を送っていた。
次の『総選挙』や来年の『統一地方選』『参院選』の結果、都議選の様に共産党が議席を増し続ければ、共産党の「社会民主主義」政策が一部採用される事になる。都議選の立産同盟で立憲民主党(代表:枝野幸雄)の政策も相当左(労働者)へ寄っていた。枝野代表(甲辰)も分厚い中間層を目指している。
政治は投資
自民党(総裁:菅義偉)は『合本主義』で変わらず大企業・富裕層(リーダー・チャレンジャ)のビジネス トレンドを決するので諦観すべき。しかし中小・零細(フォロワ・ニッチャ)向けのビジネスとなると、『社会民主主義』で共産党がビジネス トレンドを起こす可能性がある。
詰まり、これからの投資トレンドはポートフォリオ(リスク回避)の観点より、この二党の政策に着眼しておく必要がある。特にニッチャは、ユニコーン企業へ化ける可能性を包含しているからとなる。一票を投じる選挙もパーティ・会合出席等も、政治活動という労働投資。中長期案件。その投資が収益として見合っているかをチェックする。資産は殖えなければ意味が無い。
記事:ファイナンシャルプランナ:羽田野正法
撮影:岡本早百合 画像:FPhime、コトラーの「競争地位別戦略」とは?中小企業診断士解説。/フォーサイト
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