国防の仕方|令和三年版『防衛白書』

【軍事報道】 防衛省(大臣:岸信夫)は、令和三年七月十三日に本年版『防衛白書』を公表。四部構成。併せて「防衛白書動画コンクール」も十四日より募集開始した。


日本を守る戦略は『国家安保戦略』。平成二十五年に策定。平和に関する基本理念を明示。その具体として『防衛大綱(同三十年)』と「中期 防衛力整備計画(中期防、同)」がある。以下は、日本の安保・防衛政策(第二部)のダイジェストより。




<防衛大綱>

「多次元統合 防衛力」の構築

  1. 全領域(陸海空・宙情電)における能力を有機的に融合し、相乗効果によって全体としての能力を増幅させる領域横断(クロス・ドメイン)作戦を遂行可能である事
  2. 平時から有事までのあらゆる段階における柔軟、且つ戦略的な活動を常時継続的に実施可能とする事
  3. 日米同盟の抑止力・対処力の強化及び多角的・多層的な安全保障協力の推進が可能である事



防衛目標

目標達成の為に、日本自身の防衛体制と日米同盟・安保協力を強化

  1. 平素から日本にとって望ましい安保環境を創出
  2. 日本へ侵害を加える事は容易為らざる事、と相手に認識させて脅威が及ぶ事を抑止
  3. 万一、日本へ脅威が及ぶ場合には確実に脅威に対処し、被害を最小化



優先事項

  1. 領域横断作戦に必要な能力の強化;宙情電の強化、従来領域(海空・スタンドオフ防衛・総合ミサイル防空・機動展開)の強化、持続性・強靭性の強化(弾薬・燃料等の確保、海上輸送路の確保、重要インフラの防護等) 
  2. 防衛力の中心的な構成要素の強化 ;人的・技術・産業基盤の強化、装備体系の見直し等




<中期防>

 令和元年度から五年度までの五年間の防衛力整備の方針や主要事業等を定めた。以下が五つの基本方針。

  1. 領域横断作戦の実現に必要な能力の獲得・強化
  2. 装備品取得の効率化・技術基盤の強化
  3. 人的基盤の強化
  4. 日米同盟・安保協力の強化
  5. 効率化・合理化を徹底した防衛力整備




<国防費・防衛力整備>

 本年度の国防費は五.一兆円。前年度比で一.一㌫増。米国の十四分の一、中国の六分の一、ロシアの三分の一で韓国にも一兆円劣っている。日本の国防費が少ない理由は、左派・左翼世論と若年層の政治(国防)への無関心の為。尖閣諸島問題等の様に予算が大いに不足しているので、どんどん日本は自国を守れなくなっている。その中でも他国よりも少ない予算で自衛隊は研鑽し、日夜、命を懸けている。



以下は本年度の主要事業の一部。

宇宙

  1. SSA衛星(宇宙設置型 光学望遠鏡)の整備
  2. SSA(宇宙状況監視)システム等の整備
  3. 宇宙を利用した情報収集能力等の強化
  4. 空自「宇宙作戦隊(仮)」の新編


サイバ(情報空間)

  1. 共同部隊「サイバ防衛隊(仮)」を新編
  2. サイバ人材の確保・育成
  3. サイバに関する最新技術の活用
  4. システム・ネットワークの安全性の強化等


電磁波

  1. 「スタンド・オフ電子戦機」の開発;日本へ侵攻する相手方のレーダー等を無力化する能力の強化
  2. Fー35A戦闘機(四機)・F-35B戦闘機(二機)の取得;日本への侵攻を企図する相手方からの電磁波領域における妨害等に際して、その効果を局限する能力の強化
  3. 陸自「電子作戦隊(仮)」を新編
  4. 電磁波に関する情報の収集・分析能力の強化等


海空

  1. P-1哨戒機(三機)の取得
  2. SH-60K哨戒ヘリコプタの救難仕様改修
  3. US-2救難飛行艇(一機)の取得
  4. 護衛艦(二隻)・潜水艦(一隻)の建造
  5. 「いずも」型護衛艦の改修
  6. 日本主導の次期戦闘機の開発等



上図の通り中国の陸上兵力は日本の七倍、海上兵力は四倍、航空兵力は八倍の差がある。現状の防衛予算では、今後も更に日中の防衛力の格差が開いていく(下図)。それは日本侵攻の容易性が高くなっていく事を意味する。中国から見て日本の防衛力は年々、下がっていっているのが事実。


中国の増大を知らない、見ないシニアは防衛予算を上げる事に反対。しかし、日本へ侵攻する頃に存命か否かは甚だ怪しい。氷河期世代以下は間違いなく存命しているだろう。


画像:modjapan/Instagram、令和三年版防衛白書/防衛省

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