都は何をする算段か|「国際金融都市・東京」構想改訂(案)

【金融報道】 東京都(知事:小池百合子)は、令和三年七月二十一日に『「国際金融都市・東京」構想改訂(案)』を取り纏めた。同日よりパブコメを実施。八月三十一日まで。パブコメを以て、今秋頃を目途に成案を策定・公表する予定。


本改定案の副題は「サステナブル・リカバリを実現し、世界をリードする国際金融都市へ」。東京はNY・上海タイプの「実経済バック型」で攻める。企業の集積や証券取引所等を擁す金融取引の中心地、産業への投資(資金供給)を魅力に投資家が集めていく。実現に向けた具体策は以下の三点。


  1. 分厚い金融市場構築
  2. 金融のデジタライゼーション(Fintech)
  3. 多様な金融関連プレーヤの集積


前提として金融情勢の変化を「アジア・欧州の情勢変動」「グリーンファイナンス(GF)」「新型コロナウイルスの蔓延」「デジタライゼーションの進展」とした。東京の強みとして「個人金融資産(一千九百兆円」「GDP世界三位の多様な投資先」「世界屈指の東証」「都市総合力で世界三位」とした。



<期待が掛かるプロモーション戦略>

 一ではグリーンファイナンス市場をの発展させ、GFの参加プレイヤの裾野を拡大(中小向けグリーンローンの活性化等)させ、環境施策・環境技術の情報発信とESG人材を育成する。


二ではフィンテック企業を誘致・創業・成長支援(東京進出の初期費用等)し、資金の繋ぎ手のデジタル化を促進(都の出資ファウンドで新サービス創出促進)し、キャッシュレス化の推進を図る。


三では資産運用業者等の誘致を推進し、資産運用業者の創業・成長を支援(新興資産運用 育成プログラム、EMP)し、金融系人材の育成・金融リテラシを向上させたい。



行政には常に抜けがちな「プロモーション」も明記。周知なくば利用促進も何も無い。以下の七点が策。

  1. 東京国際金融機構(FCT)や日本貿易振興機構(JETRO)等と連携して国内外向けプロモ活動を推進
  2. 昨年に開設した「ビジネスコンシェルジュ東京」の香港窓口を拠点としてアジア企業に対し、東京の魅力やビジネス環境等をPR
  3. 金融分野で活躍する専門家や著名人、日本に駐在する外国人ビジネスコミュニティ等の第三者の目線から、東京の魅力やビジネス機会について情報発信
  4. 対象者へ情報がリーチする為に発信コンテンツや媒体を選択し、情報発信。SNS(動画等)も積極的に活用
  5. 優れた技術や製品を有しているが、英語による情報発信が困難な企業に対し、英語翻訳等に係る支援
  6. 「Access to Tokyo」や「ビジコン東京」等による情報発信を質・量とも充実
  7. 様々な支援情報を一元的に収集できる様にウェブサイトを整備

上記プロモーションに関して、二十三日に報道府は以下の意見を都へ提示した。



p.29 「IV各取組に関する情報発信(プロモーション)」

SNSを含めた対象者別の情報発信は、大変に優れている。

プロモーション効果を劇的に向上させる為に、以下についてを意見をする。


「③金融系外国企業・人材に対する情報アクセシビリティの改善」の二段目。

様々な支援情報を一元的に収集できるよう、ウェブサイトを整備していく


金融及びITリテラシには、世代毎に大きな差異がある。よって少なくともA「若者・若手」とB「中堅・シニア」に分けたウェブサイト構成が奏功する。



<何故、分けるか>

 Aは金融リテラシが弱いが、ITリテラシが高い。スマホのUIを行政と思えない程に、徹底的に使い勝手を魅力的にする。UI設計等のシニアディレクタは若者・若手が務めるべき。東京の金融情報を初級・中級・上級・特級等で分けると、エントリし易くなるだろう。


Bは金融リテラシが高く、ITリテラシが弱い。タブレット使用者が多いとみられる為、「らくらくフォン」の様な感性で大きなUIを構成し、複雑化させない様にするべきだろう。行政はテキストリンクが多過ぎる。


そしてAのメリットとして「資産の新規構築」を前面に押し出し、Bのメリットとして「資産の継続運用」を謳う。先ずはマスの顕在欲求を狙う。都独自の会員数を増やし、そのスケール及び安全性メリットを以て、海外金融機関等へのDB『国際金融都市・東京』としての魅力を打ち出せる(サイト内広告等)。


これは都が、金融の会員制サイトを運営する事を意見している。あくまでもポータルサイトに過ぎないので、民業圧迫とはならない。民間は都と契約する事で、新たな流入元を獲得できる。

以上


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