月額七万円からのサブスクWeb雑務『EC便利屋さん』

【ビジネス考察】 政府のDX推進で益々Web関連作業の需要は高まっていく。それはWeb関連の『便利屋』へのニーズが高まっている事を意味する。供給は追い付いているだろうか。


大企業は大手のマーケティング企業へ発注できる。中小・零細向けはブルーオーシャン市場と見做せる。中小・零細向けの簿記会計として「freee」と「マネーフォワード」は大躍進。大企業社員の兼業・副業解禁も追い風となり、Web関連作業への需要は膨大化しつつある。


HP作成の便利屋も大事だが、事業運営上、最も必要な分野(ニーズ)は「Web雑務」。


以下の様な作業が、煩雑で敬遠したい雑務ではないだろうか。

  • バナー・サムネ制作、画像加工
  • ランディングページ制作
  • サイト更新(OwndやAmazon等)
  • アクセス解析
  • Google広告出稿
  • ワードプレス新設
  • ドメインとサーバーの紐づけ等



<雑務をバスバス熟す>

 これらの雑務をサブスクで提供する企業が仙台にある。平成二十六年創業のトランバート(代取:山川大輔)。この企業は「EC便利屋さん」を令和元年にローンチ。月額七万円で最低利用期間は三ヶ月間。電話・メール無しのチャットのみで、雑務(タスク)を高速に処理。大方、一週間以内で各種納品に至る。


これは、一つずつタスクを完了していくシングルタスク型。依頼内容によって異なるが、一ヶ月で四件以上は雑務を依頼できる。痒い所に手が届く定額の「雑務系外注」と言える。手順を指し示すマニュアルも分かり易い場所に用意。


出来ない作業は「受発注の業務」「カメラによる写真や動画撮影」「漫画やキャラ等の絵作成」のみ。下図がラインナップ。




DX時代の基幹産業

 同社はITコンサルなので、定期契約の獲得がメインだろう。しかし、数年先まで続くDX需要を考えると、サブスクWeb雑務はブルーオーシャン。小さい法人や個人事業主の開業は増加を見込み、政府が推し進める全国一千七百の自治体DXと合わせると、日本史上最大かもしれないWeb雑務が発生する、ないし発生している。


初歩中の初歩であるHP自体を開設している中小は、五割を切る(アイ・モバイル本年調査)。「通信利用動向調査/総務省」の九割とは異なる。調査対象が異なっている。前者は従業員五名以下が六割、後者は同・百人以上。まるで日本の実情を統計は反映してない。


B2BやB2Gのマーケティングも今までは大企業が主体だった。取り上げた同社の様な中小・零細から中小・零細及び自治体へのマーケティングは令和時代のこれから。大企業が行わない、ないし行っても高額なサービスに「サブスクWeb雑務」は求められるのではないか。ニッチの様であり、マスと踏む。


未来、「サブスクWeb雑務」特化型企業が上場するかも知れない。


記事:羽田野正法

画像:㈱トランバード、中小企業のホームページ開設率はどのくらい?(2021年版)/アイ・モバイル㈱

0コメント

  • 1000 / 1000