『刑法』侮辱罪が厳罰化へ、女性が気を付けるべき事

【政治報道】 讀賣新聞(主筆:渡邉恒雄)は、令和三年八月三十日に菅内閣がネット上の誹謗中傷による自殺等を受け、『刑法』侮辱罪に「懲役刑」を導入する方針を固めた旨を報じた。法制審/法務省にて刑法の改正を諮問する。


現行の刑法では、ネット上の誹謗中傷で侮辱罪として検察が訴えても「三十日未満の拘留」か「一万円未満の科料」しか求刑できない。懲役刑ナシ。ハードルが上がる名誉棄損なら「三年以下の懲役・禁錮」か「五十万円以下の罰金」。懲役刑アリ。


元「特捜部」主任検事・前田恒彦は、「現在の侮辱罪は拘留科料に限られ、懲役刑どころか一万円を超える罰金刑すらありません。これは刑法が規定している犯罪の中でも侮辱罪だけであり、軽犯罪法違反と同じレベルです。」と現状を説明。


検察が訴える事ができる期間「公訴時効」は、一年から三年に延長する模様。この点について「成蹊大」高橋暁子 客員教授は「木村花さんの事件では、一年という公訴時効の短さが足枷となり、約三百件あった誹謗中傷の内九割が不問のままで、立件は僅か二件となってしまいました。」と侮辱罪における公訴時効の短さを指摘した。



<証拠能力と人間関係>

 平成中期よりDV等の精神への暴力が注視されてきた。肉体への暴力には様々な刑法の規定があるが、精神への暴力への刑法の規定は後れを取っている。その理由は「証拠裁判主義」にある。精神的な加害と被害の因果関係を証明するもの(証拠能力ある証拠)が欠かせない。肉体被害ならば明らかに因果関係を視認できるが、精神被害の因果関係を他人(裁判官)が視認できるだろうか。


例えば、厚労省はパワハラの一つに「人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)」を挙げている。これはどうか。道徳としては悪い事と理解できるが、刑罰の対象になる為には因果関係(証拠能力ある証拠)が欠かせない。


今回は誹謗中傷を前提とした侮辱罪の厳罰化であるが、被害者が隔離・仲間外し・無視を「侮辱された。」と思った場合には如何様にするか。その思った心は一過性なのか、継続的なのか。裁判官等の目に見える被害は何なのか。


何(イズ)れにせよ、侮辱罪の刑罰化で気を付けるべきは男性より女性の可能性がある。ネット上における誹謗中傷のタイピングは控えれば良いだけだが、女性の月経中には苛々(イライラ)が募り、心底思っていない事を発言したり、行動したりするだろう。それを男性や周囲が「侮辱された。」と判断し、目に見える実害が何か(経済的実損・健康被害等が)起きてしまった場合には、侮辱罪が成立する恐れが今後、出てくる。


詰まり、勢いで心底思ってない事は決して言わない。決して当たってはならない。相手が真に受ければ侮辱罪の恐れアリ。そして、相手が「尊重されている。」と思うアクション・リアクションを取り続ける気遣いが肝となる。ここが訴訟リスクを抑えるポイントだろう。


匿名者は身元不明者なので、法的に尊重できる筈も無い。



法制審次第だが、精神への暴力は「言葉の暴力」以外にも隔離・仲間外し・無視がある事を女性は覚えられたい。自身を守る。意図的でなくとも「傷害致死」の様に刑罰は対象となる。


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