ファッションに“世界平和”のメッセージ、TAE ASHIDA(タエ アシダ)

【高級ファッション報道】 平成二十九年三月二十二日に東京・六本木にて、高級ファッション ブランド『TAE ASHIDA/ジュン アシダ』がAFW東京内で来季の秋冬コレクションを発表した。昨年にブランド設立二十五周年を迎えた。デザイナは芦田多恵(甲辰)。


来季は二種のテーマで攻める。前半は「緊張感とリラックスのバランス」を織り交ぜた昼仕様で素材感やデティールに拘った日常使いに注力。夜は「星をシンボルとした世界平和」のメッセージを織り込んだ。全五十七ルック。



<来季も動き易さの追求>

 前半の一部にあったプリントのヒョウ柄のベースはジャージ素材。全く同じ柄のシルクのシフォンを重ねた。ショーの際にアクティブに動き、シルクのシフォンが優雅になびく。一着の洋服からプラクティカルな部分とシフォンが絡む、優しい部分とが合体している。上に合わせたライダースはボンディング ヴィスコース ジャージだ。ボンディングとは、二枚の素材を貼り合わせた様になっている新たなもの。一枚よりも構築感があって、基本的にジャージ同士なので自由に動ける良い素材となっている。


ライダースはハードなイメージがあるが、着心地は正反対とした。流石のTAE ASHIDAである。エレガントなイメージやかっちりした構築的なラインで表現力を広げた。


後半部には生地に星が盛り込んだり、星の刺繍を施した。イブニング ドレスも、ストレッチ素材を用い、軽やかに動ける仕様。前回の「空」のインスピレーションも用いる。「空を見上げると皆同じ星を見ているとか、皆同じ月を見ている。人を支配する事は宇宙のスケールから見たら凄く馬鹿げた事で。そういうちょっとしたメッセージというか、シンボルとしてお星様を使いました。」とインタビュに答えた。同時に、煌めく様な素材を随所に使い、フェミニンな感じと強さ、そして光からくる強さをも表現した。



平和を真剣に考える

 星で平和のメッセージを盛り込んだきっかけは、「日々色々な報道を見ていても、国同士が争ったり、一人の独裁者的な人を支配しようとしていたりとか、今迄あんまり無かった事が起こっている様な気がするんですね。凄く色んな事がごちゃごちゃ起きてる。そんな中で空を見上げたら、宇宙のスケールでいったらつまらない事。人は皆平等。思想、宗教、国籍、性別は全く関係ない。皆が与えられている事があると思います。」と、目まぐるしく変化する現代への疑問と一部デザイナが感じ取っている哀しみが感じ取れた。


自身がファッション デザイナという事で、その想いをさりげなくデザインに盛り込んだ。芦田(写真上)のメッセージである。「平和な世の中は地球に住んでる私達全員の願いだと思いますので。」と、品位が高く、日本屈指のデザイナの芦田だからこそ表現できる世界観だった。


尚、各国大使のファーストレディや多数の芸能人、芦田のパートナの伯母にあたる自民・番町政策研究所の会長の山東昭子(壬午)参議もランウェイショーに参席した。


『TAE ASHIDA/ジュンアシダ』@Amazon Fashion Week TOKYO 2017 A/W

撮影記者:岡本早百合

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