木目の美しさを生地に、自然を織り込んだ『ハナエモリ マニュスクリ』

【高級ファッション報道】 平成二十九年三月二十三日に東京・表参道にて高級ファッション ブランド『Hanae Mori manuscrit/ハナエモリ・アソシエイツ』が来季の秋冬コレクション、全三十七ルックを発表した。デザイナは天津憂(己未)。


来季のテーマは「コンバイン」。色んな素材の組み合わせ、という意味だ。元々、美しい物同士を合わせて、より美しく全く違う形にもっていったコレクションとなった。


同色でシャイニな生地とマットな生地の両方を合わせる等した。後半で目立った素材は、本物の「木」で作ったルック。ミシンの針が下りても割れない〇.一四㍉に木を剥き、不織布とボンディングした。使用された木は黒柿の木。柿の木の中でも貴重で実際に木を切ってみないと柿の木か黒柿の木かは分からない。四㌫位しか無い、大変に貴重な木をスライスして実際にドレスに仕立てた。一度カットを入れても破れにくい性質がある黒柿の木を蝶柄のレースで抜いたり、色んな加工を施した事が今回の一番のポイントとなった。


ショーのコンセプトは「大地と宇宙」。ランウェイの照明には、英・ダイソン(CEO:マックス・コンツ)が販売する衛星の形をしたライト「キュー・ビーム」を用いた。生地で選んだ木で大地、照明の衛星で宇宙感を表現した。




 <プリントでは表現不可の木目の美しさ>

 天津(写真下)が今回、木をファッションに取り入れた理由として「輪廻転生でないが、(木の)年輪柄は自然の柄として凄く美しいとずっと思っていて、それをデザインとして表現したかった。プリントではなく、実際の一点しかない本物の木を使いたかった。今迄、木を縫える状況迄いかなかったが、今回縫える状況迄もっていけたのが良かった。」と、自身が掲げた難しい目標の達成に喜びを表わした。


ランウェイは、最初のリアルクローズからドレスに変化していく。「色んなコーディネートで魅せるコレクションが多い中、僕はドレスで魅せたかったので、」と、コレクションの順にはリアルで着る場所、空間で変化する様をユーザにアピールした。今迄はビビットカラーを多様していた天津が、スモーキーカラーに挑戦した一つの転機のコレクションでもあった。また会場の外の階段では、天津が手掛けたブランド アイデンティティである「蝶」をイメージしたルックが展示されていた。


尚、ランウェイショーにはファッション モデルで女優の佐々木希(戊辰)等の著名人も参席した。


Hanae Mori manuscrit@Amazon Fashion Week TOKYO 2017 A/W

撮影記事:岡本早百合

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