日韓関係を若者が真剣に議論『日韓若者対話/言論NPO』

【社会・政治報道】 令和三年十月二日に東京・六本木にて言論NPO(代表:工藤泰志)と韓シンクタンク「東アジア研究院(院長:イスクジョン)」は、第九回『日韓未来対話』と第二回『日韓若者対話』を開催した。


前者では、米中対立下の世界での日韓関係の意味を考えると題し、八時間に亘って議論を繰り広げた。後者では、三十五歳以下の両国の若者が議論を繰り広げた。日本から最年少の選挙権を有さない高校生や大学生、大学院生が参加。若者パネリストは日本側が四名、韓国側が八名の計十二名。内二名が朝日新聞と毎日新聞の記者だった。


議題は以下二点。

  1. 若者は日韓関係をどう見ているのか。近年、政治的対立から日韓関係は悪化しており、「共同世論調査/主催両者」によれば相手国への印象も悪いまま。若者に人気のK-pop等のポップカルチャは現在の日韓関係を改善する起爆剤になると思うか。若い世代からみて、どの様な努力や取組みが将来の日韓関係の改善に重要だと思うか。
  2. 日韓は世界の課題にどう協力すべきか。気候変動や海洋汚染などの環境問題、感染症などのグローバル課題への国際協力につき、どの様に見ているか。これらの共通課題は日韓で協力できると思うか。また、最も協力が期待できる分野は何であると思うか。



冒頭、韓「日本研究センタ」のジョヤンヒョン所長は「日韓関係の将来は、若者がどう創っていくかで違う。互いをどう思っているのか。既存世代(中堅・シニア)と一致しているとは限らない。世代交代を待つのでは無く、若者の考え方に耳を傾け、彼らの役割を加味する事が大事。自由に意見交換出来れば。」と述べた。



<若者が考える文化交流以外の選択肢>

 日本側は「文化交流には限界がある。政治的な問題は八方塞がり。他からアプローチし、日本と韓国の市民が交流して連帯ができる方法を主張したい。(相手国)政府への思いが悪くても、市民の交流から政府を動かせる様に。日韓問題は両国だけの問題ではない。」と日韓だけではなく、国際社会を巻き込んで日韓問題を解決していく方法を主張。


他にも、日韓の歴史教科書の違いや日韓の経済協力、中台問題を日韓で議論、日韓のジャーナリズム等が挙がった。


 韓国側は「日韓関係は発展してきているが、歴史問題に隔たりがある。文化交流では問題解決できない。本音と誠意を持って交流を行っていく事が大事。」と主張。他にも、マスコミの報じ方の問題や若者の利益が反映される枠組み、若者が意思表明を政治家へすべき、日韓の若者プラットフォーム構築、日韓の若者が互いの歴史を学ぶ努力等が挙がった。



議論は二時間半に亘りって政府や政治、政治家、外交、貿易、教育、報道、文化交流等と様々なテーマで展開。互いの国について直接に知り、学ぶ事の重要性を本対話で指し示した。また、若者だけでなく、中堅・シニア世代が両国関係について考える機会が増えればとの意見も。


特に、政治に関する議論に熱があった。日韓両国の若者が国を良くしたい、と議論が止まらない程で既定の時間を延長した。若者だけでなく、大人がしっかりと向き合う問題だ。


撮影記事:岡本早百合

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