テロップ無しでも聞き取れるか、「伝わってる?」現代日本人の音圧の弱さ

【人生考察】 若者・若手が作るYT動画ではテロップが多様されている。そこでラジオの様に動画を再生しながら、音声だけで内容を把握しようとすると、如何だろうか。


動画が伝えんと、訴えんとする内容を把握できるだろうか。


これは“聞き易さ”とは異なる。ラジオは“聞き易く”、且つ“伝わり易く”を心掛けている。特にFMよりもAMの方が雰囲気や想いを重視している様な感がある。FMは軽快さだろうか。ネット「radiko」ではFMとAMの音質を同じにした為に分かり難いが、電波受信のラジオでは違いを確認できよう。


さて戻ると、YT動画の音声と民放ラジオの音声の違いは何か。「音圧」である。同じ声だが、音を発する際の「腹圧」が両者では違う。ラジオのパーソナリティや声優、冠番組を持てる有名人達は音圧がしっかりしている為、言葉・文が伝わり易い。文中の言葉・助詞の強弱(アクセントとイントネーション)を巧みに操っている。


すると、アイドルのラジオでは何を言っているのかが分かり難い事も合点がいくというもの。今のアイドルは腹式呼吸も甘く、若者が好む「抜け声」だからだ。主義・主張があっても伝わり難いだろう。



<若者のシニア化>

 これは問題ではないか。これから動画コンテンツが無くなる事は有り得ないだろう。ビジネスでも政治でも欠かせない。動画コンテンツは日常的に多量に生産しているのに、伝わらない。ビジネスで言えば「コンバージョン率」を左右する。政治で言えば「得票率」に左右する。プライベートでは、自身の伝えたい事が他人に伝わらない。自分自身を分かって貰えない。


何故ならば、音圧が低過ぎて(ないし一定・細切れで)何を言っているのかが伝わらないからだ。


現場取材では取材対象の声がとても大切だ。何を言っているのか、どこを強調したいのかが分からなければ、記事は書けない。代表取締役でも政治家でも、ごにょごにょ聞こえる事は相当に増えてきた。オンライン取材では現場の空気感が無い為に眠くなる。よって、本質的には若者だけの問題ではない。


ただ若者・若手はシニアではないので、若々しく数十年を生きていった方が良いだろう。既に音圧が「若者≒シニア」となってしまっている事例が散見される。これは恐らく、ゆとり教育以降の現場教育に問題があるものと思われる。第一次性徴期にしっかりと体育を学ばず、休み時間に遊ばなかった。組体操の禁止や公園でのボール遊び禁止、水風船禁止等と目先の安全だけを重視する大人の弊害をゆとり世代以降は受けている。


本当に大切なのは成人以降。自身の思いや主義主張があり、他人へ理解して貰える様にコミュニケーションする。意思疎通を図る。それが現在では文字コミュニケーションに頼り、発音コミュニケーションを忌避している様にさえ見えないか。



打開策

 第一次性徴期に身体づくりを抑制され、成人してからも発音コミュニケーションを控えていては、体内の音響器官が老いていくばかりだ。その最後の自身の思いを伝える文字コミュニケーションも、TwやLINEで短文化し、文章そのものを作る事が出来なくなってきており、聴く側も文法力低下で文章構造を理解できない程の読解力となってきてしまっている。大人が。


コミュニケーション、という他人との意思疎通ができない。


しっかりと腹圧を加えて音圧を高めると、文章能力も上がるだろう。それは文字コミュニケーションも上手くなり、自身の思いが他人へ伝わる事を意味する。これは人生において大きなメリットではないだろうか。


腹式呼吸や各種筋トレ、強METs(メッツ)の運動を日常的に行い、放送委員やニュースキャスタの如く発音・発声練習を行う。これが打開策だろう。


年齢が若い内は、打開策を始めて直ぐに体内の音響器官が反応するが、年齢を重ねる程に反応は鈍るもの。コミュニケーションが取れない人間へと堕ちない為に、日々を見直そう。



若者・若手が作るYT動画では映像を観ずに音声だけで把握してみよう。シニアでも聞き易い人がいれば、最も参考にしよう。居酒屋等で大いに話し、カラオケで大いに歌えば、更に磨きが掛かる。


記事:金剛正臣

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