二〇四〇年のグランドデザインを発表、現在の小中高生に期待

【社会報道】 平成二十九年五月十九日の都知事の定例会見で、小池百合子(壬辰)都知事は、「都市づくりのグランドデザイン」の素案を公表した。昨年の「東京都 都市計画審議会」の答申を踏まえたもの。これは今から約二十年後の二〇四〇年代に目指すべき東京の姿を描く。実現に向け、都市づくりの基本的な方策を示す計画が「都市づくりのグランドデザイン」となる。


二〇四〇年代に東京は高齢化率が三割に達する。世界のどの都市も経験した事がない少子高齢、人口減少社会を迎える。世界も高齢化社会へ向かっている中、日本が先頭を走っている。インフラ面において三環状道路の概成、リニア中央新幹線の東京・大阪間の開業、更には羽田空港の機能強化で国内外に人や物が広域に亘って円滑に移動する未来が予測されている。自動運転技術も実用化される可能性がある。幅広い分野の技術革新や人々の価値観、ライフスタイルそのものの変化を想定。




<活力・ゆとり・潤いの都市空間>

 こうした社会の変化を見据え、東京の都市構造につき、「交流・連携・挑戦の都市構造」を目指すと示した。前述に合わせ港湾機能等のインフラを最大限に活用する。広域的に日本の各地や海外と自由自在な移動、交流を支え、イノベーションの源泉となる挑戦の場の創出に繋げていく方針だ。また区部と多摩二つの広域拠点では、東京圏の活力を牽引し、持続的に発展する高度成熟都市を実現していく。策定にあたり、以下の四点を基本的な考えとした。


  1. 二〇二〇年大会を契機に高度成熟社会を実現
  2. 長期的な観点からESG(環境・社会・ガバナンス)の概念を取り組み、持続的に発展
  3. 東京に埋もれている宝物を掘り起こし、東京ならではの価値を創造
  4. みどりを守り、まちを守り、人を守る


都市づくりを進めていく為に、活力にあふれる拠点づくり、自由自在な交流の実現、分野横断的な七戦略を掲げた。これらの戦略では将来像に向け、これ迄の延長線上を超えた取組みも具体的に示した。


五輪で小・中・高校生として迎える世代が、二〇四〇年代には社会を担う。「東京大会を通じて、世界を感じた次の世代、次世代に活力・ゆとり・潤い、これらが揃った都市空間、質の高い豊かな生活を確実に繋いでいく。その為のグランドデザインを描きまして、着実に都市づくりに取組んでいきたい。」と、百合子都知事は次世代への期待を示す。



今度はスペインの富裕層から

 翻って、富裕層向けの旅行雑誌「コンデ・ナスト・トラベラー」で、東京が世界で最も魅力的な都市として掲載された(昨年十月、米国版)。今回はスペイン版の読者投票で東京が海外で最も優れた旅行地として選出された。「スペインの観光客というのは結構、目が肥えてると思いますので、大変嬉しゅう御座います。海外から観光地として最も優れているとお認め頂いて、トロフィ頂き、先日届いたばかりで御座います。」と、国際的な注目が東京に注がれている実感を持つ。


今回の受賞を励みとし、東京の多様な魅力をチャンスを掴まえ、発信していく。そして「PRIME観光都市」として、より多くの旅行者を迎え入れていく考えだ。七月二日投開票の『都議選』で都F・公明で過半数を奪取できるか否かで、東京の未来も大きく異なるだろう。


撮影 記者:岡本早百合

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