音楽と融合する東京コレクション「TOKYOは世界最高峰」

【高級ファッション考察】 今春夏のプレタポルテの展示会『Mercede-Benz Fashion Week TOKYO/日本ファッション・ウィーク推進機構』が平成二十七年十月十七日に終了した。今季のトレンドは緩いテロ感だ。薄地の生地を重ねたりドレープを大きくしたりと、歩いていて動きのあるルックが多くのメゾン(ブランド)で散見された。


今回の『Fashion Week TOKYO』の特徴として、ショーで使用される音楽がBGMから融合へ向かっているメゾンが増えたコトだ。初参加となったX JAPANのYOSHIKIがデザイナを務める「YOSHIKIMONO(上写真)」の囲み取材でも、音楽とファッションは切り離せない旨を伝え、デザイナ本人自らが、ランウェイの中央にグランドピアノを置き、四曲を弾いた。YOSHIKIはクラシックを選んだ。



ファッション一族の小篠家の次代「YUMA KOSHINO(上写真)」の小篠ゆまは、デザイナながら音楽レーベル「Brind Spot」を音楽プロデューサの浅田祐介と共に立ち上げた。近年、「YUMA KOSHINO」のショーには必ずと言って良い程、浅田がシーズンのテーマに合うオリジナル楽曲を制作し見事な一体化を実現している。浅田はCHARAやCrystal Kay、中西圭三、CHEMISTRY等をプロデュースした実績を有す。


皇族や各国の大使夫人らが愛用する「TAE ASHIDA(下写真)」も今回は、ライヴ パフォーマンスをショーに組み入れた。デザイナの芦田多恵は電子音楽アーティストの渋谷慶一郎を指名した。渋谷は圧倒的なEDMとピアノ伴奏を併せ、通常の「TAE ASHIDA」とは異なるショーを魅せつけた。注目点は、年齢だ。YOSHIKIは、四十九歳。小篠は、四十七歳。芦田は五十一歳。中堅が仕掛ける東京コレクションの来季以降に更なる進化が期待される。



また、四十年近く服を創り続けているベテラン「ZIN KATO(下動画)」は、今回の囲み取材で興味深い点に触れた。アジアや中南米への進出も目論むデザイナの加藤徹へ報道陣から若手デザイナの強いエリアはどこの国かと聞かれ、「日本。」と即答した。その理由を加藤は経済等の環境にあると述べた。TOKYOは世界都市別GDPランキングでずっと一位だ。韓国のGDPも超えてしまった。そして、IMF(国際通貨基金)は二〇二五年まではTOKYOの首位は変わらないと推測。最高の経済で、最高の服飾技術を擁し、最高の教育が揃っている。世界最高の場所で創られる若手のデザイナは、世界一と太鼓判を加藤は押した。だが、その根拠ならばファッション以外にも云えるコトではないであろうか。

TOKYOのプレタポルテ デザイナは強い。

写真:報道府

記者:金剛

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