生活・小沢は未だ動かず、元気・松田は非合流か

【政治ニュース】 予てより構想「オリーブの木」を掲げる『生活の党』の小沢一郎 代表は、平成二十八年三月八日の記者会見で“政治の切り口”の重要性を語った。「オリーブの木」はイタリアの政党連合のコトで、中道政党と左派政党が連合し八年の総選挙で政権を獲得した。小沢代表は、昨今の日本の野党団結の火付け役でもある。会見で触れた“政治の切り口”では、「(野党団結が)客観的に国民からみて、どうなのか?」という点を重要視し、現状の報道は“現象”ばかり追っていると各社の報道の仕方を疑問視した。


これは同党が民・維の新党に全部ないし一部の合流となるのか、という問いへの返しであった。野党団結の話しに際し、常に「心を一つにして闘わないといけない。」と形式ではなく実質の団結を説いている。記事「民主と維新の新党へ「期待せず」六割、どうなる選挙」でも触れたが、民・維新党は他の野党の合流に関して、前提として“理念・政策の一致”を掲げている。


一方、参院の統一会派「維新・元気」は民・維新党結成により四日付けで解消となった。およそ二ヵ月の連携であった。衆院では民・維の統一会派がある。一日の記者会見で松田公太 代表は、民・維新党への合流はしない旨を報道陣に伝えたものの、「本当の意味での改革政党なら考えないでもない。」と交渉の席に着く準備はある模様。一日段階で松田代表への正式な合流要請はなかったが、他の野党議員から話しだけは耳に入っていると述べた。




=解説=

 七月の『参院選』と来る『衆院選』を意識した野党団結。自民は既に公認候補予定者を公開している。民・維の新党大会は二十七日に行われる予定で、ようやく自公に対抗する基盤が整う。衆院の議席数四百七十五に対し新党は九十三。参院の二百四十二に対し六十四。小沢代表は数の体裁を報道が追っていると指摘したいのであろう。政策・理念等が一致していなければ、数だけ集まっても勝てないというコトだ。故に、安易な合流を忌避した“現象”という発言であった。


本人としては、自身が総理になるより若手を育てるコトを重視している旨を以前の会見で述べていた。然しながら、小沢総理への期待が残ってる点を同党の山本太郎 代表も会見で口にした。自公も警戒する小沢代表の合流。彼の意向が次の選挙を大きく動かすコトは間違いない。会見の最後では民主の敵対的な発言が多いコトに対し、「だから人気が上がらないんじゃない。」と締めた。



<野党の群雄割拠に終止符を打てるか>

 そして、昨年に『新安保法制』成立の要となった『元気会』の行方も日本にとって重要だ。前身は「みんなの党」で国内唯一のビジネス系政党であり、他党を“政治屋”と見做し一線を画す。六日の記事『「票のために結婚する『民維合流』156人の初夜」 新潮の見出しはエゲツないが…/産経』では、元「みんなの党」の代表であった渡辺喜美が民・維新党を厳しく断じた。


「今回の合流は典型的な『政党ロンダリング』と言えます」「そういった『切り貼り型』の再編だと国民に、“どうせ政党助成金がほしいだけだろう”“選挙に当選したいだけでしょう”と下心を見透かされ、それゆえに支持も集まらないのです」


自民・公明に対し、民維・共産・社会が協調している。生活と元気はこれにやや距離を置く。他には、維新が前身のおおさか維新と改革結集、太陽が前身の日本のこころを大切にする党がある。野党は群雄割拠の様な状態で、国民としては違いが分かり難い。野党の政治屋の都合が幅を利かせている間は、自公の鉄壁に敵う訳がない。「客観的に国民からみて、どうなのか?」これが一番大切であろう。

(了)


写真:報道府


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