NMB48・須藤凜々花への裁判の可能性、最悪は詐欺罪か

【芸能コラム】 第九回目となったAKB総選挙で事件が起きた。二十位となりスピーチでNMB48・須藤凜々花(丙子)が結婚を宣言。OGをはじめ夕刊紙やWebメディアなどが連日、この事件を取り上げている。マツコ・デラックス(壬子)はTOKYO MXの番組内で凜々花の結婚宣言を、キャバ嬢のドンペリおねだりでランクインした後に客へ結婚宣言することに例えた。


凜々花の固定されているツイートには、「面白い未来はりりぽんに任せてくださいっ!!私に任せて下されば絶対に大丈夫ですっ!! 選抜に入ってジャケ写に私が載ったCDを配りまくりたいですっ!!✨✨ジャケ写に乗るぞ〜っ!!✨」と記している。


六月十七日に見事アンダーガールズに入り、シングルのカップリング曲を歌う音楽ユニットとして活動できる権利を得た。凜々花の公式Twには批判が殺到している点をメディアは伝え、AKBグループの運営等を行うAKS(代取:吉成夏子)は近日中に会見を開く見込み。運営側は、結婚宣言を事実と認めており、容認する構え。


NMBでキャプテンを務める山本彩(癸酉)はブログで凜々花について謝罪をした。また凜々花の所属事務所・ショータイトル(代取:剱持嘉一、關根清隆)も、あの場における結婚発言を事前に知っていた模様。昨年の四十四位から二十四位も上げ、二十位となった。ファンは今回の総選挙で一千万円以上を注ぎ込んだ。「返金対応すべき」との声も上がっている。



民法 第七百九条「不法行為による損害賠償」請求

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


凜々花ないし所属事務所、運営は訴えられる可能性がある。AKBの総選挙には握手権ではなく、投票権が対象のCD等に入っている。ファンはCDの音楽を聴くことに併せて握手する権利を得るためにCDを複数毎購入し投票している。握手権の場合、代金の本来的な対価は握手となる。総選挙では投票なので、対象のアイドルの順位が高くなれば活動の幅が広がる。投票権の場合、代金の対価は順位や未来の活動。そのアイドルの将来に対し投資している、といえる。


事実、Twでは「面白い未来はりりぽんに任せてくださいっ!!私に任せて下されば絶対に大丈夫ですっ!!」と五月三十日に未来への投資を促し、トップに固定している。しかし約二週間後に結婚を宣言。投資を促し、ファンとの約束を意図的に反故することになる。


AKBグループは恋愛禁止を前提としている。指原莉乃(壬申)や峯岸みなみ(壬申)の恋愛スキャンダルで、謝罪し相応の処置を受けた。凜々花は飛び越えて結婚宣言。これでは未来の活動は実質的に不可能である。会見次第であるがアンダーガールズも辞退し、即卒業となってアイドル活動は終焉する。


凜々花は結婚宣言すれば、アイドル活動ができなくなることを分かっていただろう。つまり故意だ。卒業宣言の場合には、皆、一定の期間をおいている。だが彼女の場合には総選挙時だったので、即卒業となってしまう。次に総選挙におけるCD等の複数購入が「他人の権利」か「法律上保護される利益」に当てはまるか。ある特定の人への芸能活動における未来の投資とするならば、ファンには「法律上保護される利益」を保持していることになり、七百九条で訴えることが可能だ。



民法 第一条二項「信義誠実の原則(信義則)」

権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。


同条のように民法には大原則がある。凜々花はファンに対し信義に従って、誠実に総選挙でのスピーチを行ったか。答えは否。誠実に行うのであれば、開票日ないしそれ以後に結婚する旨やパートナーの存在を予め匂わせる必要がある。では凜々花の総選挙後のアイドル活動は義務か。ここが争点になるかもしれない。



刑法 第二百四十六条「詐欺」罪

1.人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする


ファンを欺いてCD等の購入を促したか。欺くとは嘘をついて騙したり、惑わせたり、戸惑わせたりすることだ。凜々花のTwや投票期間中の言動は嘘ではなかったか。結婚することを前提として集票していたらならば、嘘となりえる。但し、実務的に余程の敏腕弁護士でないと立件は難しいだろう。

凜々花を民事的・刑事的に訴えるかどうかは投票したファンが決める。



だが、こんなことを事前に防げなかったのだろうか。恐らく防げなかったのだろう。今回の事件が起きて、凜々花を叱る身内を見受けられない。悪いことをしたことには変わりがない。悪いことをしたら、その人の先輩や周囲の大人が叱らなければならない。女王の莉乃も総監督の横山由依(壬申)も叱りつけたか。彩は先行し代弁謝罪はした。これは一人の大人として大変に立派なことである。そのスピード感も優れている。ただ凜々花を叱ったのだろうか。過ちに対して叱れない組織は、事故を防止できないだろう。


叱ったか否かの結果は、彼女が会見で何を口にするかで分かる。唯一、全うな意見を述べたのは、初代総監督の高橋みなみ(辛未)だった。トークライブアプリ「755」でみなみは、運営や周りのメンバによる事件の発生を未然に防ぐ力を疑問視した。みなみの時代が全て完璧ではなかったかもしれないが、やはり当時の彼女と組織の教育力は優れていたのだろう。運営、事務所、本人のレベルが落ちていることには変わりはない。



謝罪会見か開き直り会見か

 決してやってはならないのは、自己正当化。凜々花の行為は不法・違法的な可能性があり、一人の大人として国のルールを守っていないと上述より見なせる。個人の意見・主張よりも国のルールをまず守らなければならない。国が設けたルールの中で意見・主張ができる。この大人の基本を分かってない大人が増えている。


凜々花は日本最後のフルゆとり教育で育った。

恐れるべきは大人達からのレッテル貼り。凜々花は特異であって、全てのゆとり(凝縮)世代がこのようなことをする訳ではない。ただし今回の事件は瞬く間に全国へと広がってしまった。あってはならぬ未来が一様に凝縮世代への投資を、その世代より上の大人が避ける未来だ。彼女とその周囲は重大な責任を背負っている。会見での誠心誠意をもった対応が求められる。誠心誠意の謝罪が伝われば、裁判は避けられるだろう。だが反対に開き直れば、東芝やタカタのように奈落へと突き進む。

(了)





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