大地真央が初音楽劇、不朽の名作の表裏を宝塚で支える

【芸能報道】 平成二十九年七月七日に東京・日本橋の明治座で初日を迎えた『明治座7月「ふるあめりかに袖はぬらさじ」』。原作は昭和四十五年に婦人公論で発表された有吉佐和子による短篇「亀遊の死」を佐和子が自身で戯曲化したもので、幕末の横浜が舞台の喜劇。初演は四十七年の文学座公演、主演・お園は杉村春子(丙午)が演じた。


此度の主演は元・宝塚歌劇団「月組」トップスターの大地真央(丙申)。潤色・演出に宝塚歌劇団所属、三十代の原田諒(辛酉)。新旧宝塚歌劇団の両名が不朽の名作を「音楽劇」として蘇えらせる。「今読んでも古くない。情報社会における現代のメディアの問題に通じる部分がある」とコメントを残した真央。時代は違えど、現代にもあり得る話し。過去を振り返る事で、同じ誤ちを繰り返さない学びになる。本作はそんな一面も持ち合わせているかもしれない。


公演は八月六日まで明治座にて。


=あらすじ=

時は幕末。開港間もない横浜・港崎(みよざき)遊郭。

岩亀楼の三味線芸者・お園は、旧知の花魁・亀遊(きゆう)を看病していた。

お園のあたたかい励ましと、留学して医学を学ぶという夢を抱く通訳・藤吉の薬のおかげで、亀遊はどうにか生気を取り戻す。


ところがある日のこと。 久しぶりにつとめたお座敷に居合わせたアメリカ人・イルウスに、亀遊は見初められてしまう。

岩亀楼の主人によって、法外な値段で身請けを決められた亀遊。

藤吉への恋が叶わぬ事を儚んだ彼女は、自らの手でその命を絶った。


数日後、亀遊の死の真相を偽って伝える出所不明の瓦版が現れた。そこには、紅毛碧眼に身を汚される事を潔しとせず、懐刀で喉を突いた本邦婦女列伝に記されるべき烈婦と書かれており、「露をだに いとふ倭(やまと)の女郎花(おみなえし) ふるあめりかに 袖はぬらさじ」という辞世の句までが添えられていた。


こんな嘘にーーと笑うお園に、商売上手な岩亀楼の主人は、客が喜ぶ話をするよう命じる。 やむなくお園は、亀遊の悲劇的な話を客たちに語り聞かせ始めた。

結果、「攘夷女郎」としてまつりあげられることとなった亀遊。岩亀楼は攘夷派の志士たちの聖地となり、お園のお座敷には客が連日押し寄せることに。

亀遊の死を最初に見つけた生き証人として、一躍花形芸者になるお園だったが・・・・・・・


=クレジット=

明治座7月「ふるあめりかに袖はぬらさじ」

作:有吉佐和子

潤色・演出:原田諒(宝塚歌劇団)

出演 : 大地真央

浜中文一(関西ジャニーズJr.) 中島亜梨沙

大沢 健 崎本大海 三津谷亮 塩野瑛久 篠田光亮

/鷲尾真知子/未沙のえる

桜 一花 大月さゆ 美翔かずき 帆風成海 春風亭ぴっかり☆

小山典子 山吹恭子 鈴木章生 伊吹謙太朗 永島敬三

/斉藤 暁 佐藤B作 横内 正


画像引用:明治座公式Twitter

撮影記事:岡本早百合

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