麻生再浮上、石破が総理として一番人気だが現実的には

【政治考察】 平成二十九年七月二十四日に産経新聞社・FNN合同世論調査を公表した。「今、日本の総理として誰がふさわしい」につき、首位は自民・石破茂(丁酉)元防衛大臣となった。二位は〇.七ポイント差で安倍晋三(甲午)総理大臣、三位は小泉進次郎(辛酉)衆議で石破との差は九.四ポイント。四位は小池百合子(壬辰)都知事で石破との差は九.五ポイント。


世論は次の総理大臣を模索し、候補を決め始めている。安倍政権が内閣改造をしても、その伸び代には限りがある事を国民は分かっている。安倍が総理大臣候補とした稲田朋美(己亥)防衛大臣は辞任となり、第一野党の民進は蓮舫(丁未)代表が辞任。変わる流れが起きている。


世論は石破を推すが事は、そう簡単ではない。石破は派閥を嫌って派閥を作らなかったが、二年前に水月会を結成。報道現在で二十名未満の小派閥だ。安倍は清和研(細田派)出身で自民の最大派閥の百名近く。小泉は無派閥だが、七十名近い無派閥を纏める程のリーダシップは未だ無い。百合子は「都民ファースト」から「小池ファースト」と揶揄され、国政新党の結成を先の都議選よりも期待されていない(日本経済新聞社の世論調査)。




<自民の選択肢は五つ>

 自民が与党とすれば、総理大臣になるなら自民総裁にならなければならない。詰まり、総裁選で勝てる者でなければならない。民進は近く代表選の詳細が発表されるだろう。この民主主義で現実的に勝ち上がれる者、となると六十名近い志公会の領袖・麻生太郎(庚辰)副総理大臣か二十四年の総裁選で地方票を圧倒的に獲得した石破か、となる。だが安倍が麻生に禅譲するとなれば、麻生が再び総理大臣となるだろう。民進と異なり、自民は総理大臣になった者の言葉を非常に重んじる組織だ。


冒頭の世論調査をみると、麻生は「今、日本の総理として誰がふさわしい」にランクインしているものの七位(その他を除く)。石破と比較すると実に十分の一と人気が無い。しかも「第一次安倍内閣以降の歴代内閣で、最も評価している内閣」では四位。第二・第三安倍内閣、福田内閣、野田内閣の下だ。現在の麻生は財務大臣でもあるので、消費税の税率引上げ努力も懸命に行う。麻生に変われば増税である。当の麻生は「儂はやるけんね。」感を満々に出している。

但し、石破も小泉(子ども保険)も増税派である。


変わる流れは今、起きている。麻生は二十年の総裁選で勝利。その時に石破も出馬していたが、石破よりも得票が多かったのは百合子であった。百合子もその時の総裁選に出馬していた。そして麻生内閣は第一自公政権で最期の内閣となり、当時の民主党(幹事長:小沢一郎)が政権交代を実現させた。カードは出揃っている。


選択肢は五つ。

意地でも安倍で貫くか、政権交代実績のある麻生に戻すか、未知数の石破に懸けるか、否、百合子と無難に連立を組むか、はたまた、ウルトラCで小泉に全財産を懸けるか。自民・国会議員の悩ましい夏である。


撮影記事:金剛正臣

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