第三安倍内閣.参が発足、今秋に注目される加藤勝信 新厚労大臣

【政治報道】 平成二十九年八月三日に安倍晋三(甲午)総理大臣は内閣の改造を行い、第三安倍内閣.参(第三次安倍第三次改造内閣)が皇居での認証式を経て発足した。総理を除く閣僚は以下の十九名で内、十三名が閣僚経験者。括弧内は派閥。但し総理は派閥から現在は離脱。


  1. 副総理・財務・デフレ脱却:麻生太郎(庚辰、志公会、留)
  2. 経産・産業競争力・ロシア経済分野協力・原子力経済被害・原子力損害賠償 廃炉等支援機構:世耕弘成(壬寅、清和研、留)
  3. 外務:河野太郎(癸卯、志公会)
  4. 総務・女性活躍・マイナンバー制度:野田聖子(庚子、無派閥)
  5. 防衛:小野寺五典(庚子、宏池会)
  6. 国交・水循環政策:石井啓一(戊戌、公明、留)
  7. 文科・教育再生:林芳正(辛丑、宏池会)
  8. 厚労・働き方改革・拉致問題担当:加藤勝信(乙未、平成研)
  9. 農水:齋藤健(己亥、水月会、初)
  10. 法務:上川陽子(癸巳、宏池会、二度目)
  11. 環境・原子力防災:中川雅治(丁亥、清和研、初)
  12. 官房・沖縄基地負担軽減:菅義偉(戊子、無派閥、留)
  13. 経済再生・人づくり革命・社保税一体改革:茂木敏充(乙未、平成研)
  14. 一億総活躍・IT政策・少子化対策・男女共同参画・クールジャパン戦略・知財戦略・科学技術政策・宇宙政策:松山政司(己亥、宏池会、初)
  15. 五輪:鈴木俊一(癸巳、志公会)
  16. 地方創生・規制改革・まちひとしごと創生・行政改革・国家公務員制度:梶山弘志(乙未、無派閥、初)
  17. 復興・福島原発事故再生総括:吉野正芳(戊子、清和研、留)
  18. 沖縄北方・消費者食品安全・海洋政策領土問題:江崎鉄磨(癸未、志師会、初)
  19. 公安・防災担当・国土強靱化:小此木八郎(乙巳、無派閥、初)


総理の出身派閥・清和研(細田派)は総理を含め四名、宏池会(岸田派)は四名、無派閥は四名、志公会(麻生派)は三名、平成研(額賀派)は二名、水月会(石破派)派は一名、志師会(二階派)は一名、公明が一名となった。この布陣で内閣支持率の上昇を目指す。




<総選挙に臨む布陣か>

 自民の新執行部の核である党四役も決まった。同党次席で国政選挙の指揮を執る幹事長は二階俊博(己卯、志師会、留)、同党の政策を担う政調会長は岸田文雄(丁酉、宏池会)、同党内で常設の中では最高意思決定機関の長である総務会長は竹下亘(丙戌、平成研)。但し、国政選挙の実務を担う選対委員長には塩谷立(庚寅、清和研)が就任。


注目された石破茂(丁酉、水月会)は入閣せず。小泉進次郎(辛酉、無派閥)は筆頭副幹事長に内定した。筆頭副幹事長は幹事長、幹事長代行、幹事長代理に次ぐ。来る衆院選に向けた人事とみられる。



臨時会と新閣僚

 今秋に予定される臨時会の焦点の一つに、『労基法改正(残業代ゼロ法)案』がある。先月に連合(会長:神津里季生)が条件付き容認し、政労使で同意される予定あったが、参加の労組がデモを行い連合が容認を撤回。政府は臨時会に本改正案を再提出する見込みで、厚労大臣の答弁がポイントとなる。第一野党の民進は新代表を迎えて臨時会に臨む。併せて厚労省は、同党のたばこ議員連盟の強い反発を受けて、受動喫煙対策『健康増進法改正案』が頓挫してしまっている。

詰まりは、加藤勝信 新厚労大臣(写真最上)の一言一句が重要となるだろう。


更に安倍政権の新たな目玉政策「人づくり革命」。八月下旬には、具体策を話し合う有識者会議「みんなにチャンス!構想会議」を設置予定だ。対象は高等教育(大学を含む)・幼児教育の無償化や待機児童の解消、社会人教育(リカレント教育)。内閣府・経産省・文科省・厚労省が絡む。小泉らが提唱した「こども保険(税)」も含まれる。茂木敏充 人づくり革命担当大臣(写真上)の手腕が問われる。


臨時会の注目閣僚の答弁次第では、国民が反省していないものと見做し、更なる内閣支持率の低下が起こり得る。ともすれば、第三安倍内閣.参と新執行部で総選挙に挑む可能性がある。総選挙は本年か来年か、それは臨時会への国民のジャッヂで決するだろう。


画像引用:握手する自民党新役員/時事通信社

撮影:岡本早百合、岡村卓磨

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