規制の意味を知らない都F・野田数、小池百合子が一年でブラックボックス化の推進へ

【政治考察】 都議会で第一会派の都民ファーストの会(都F、代表:野田数)が早くもブラックボックス化を推し進めている。


平成二十九年八月二十二日の記事「【報ステ】都民ファーストの会“情報公開”は?/テレビ朝日」では、都Fの都議全五十五名にアンケートを実施し、取材規制につき「取材規制ではない」と答えた二十二人の回答が略同様であった旨と野田数(癸丑、写真上)代表が「規制はしていない。」とのコメントを併せて報じた。


これは誤っている。規制は、規則(ルール)による制限を意味する。都Fの都議へ取材を行う場合、野田は原則、広報を通して先に取材内容を都議ではなく広報に伝えた後に、取材の可否を本部が判断している。これは野田が設定した規則(ルール)だ。そして、都Fの都議へダイレクトに取材する事を制限している。野田は規制の意味を知らないのだろうか。また野田は代表会見を都議選後に一度も行っていない。



<文春曰く、偉そうな野田と一年前の公式発言に矛盾する百合子>

 十日の記事『小池都知事の「AI(人工知能)」発言のブラックさとは?/文芸春秋』では、小池百合子(壬午)都知事が提唱した「情報公開は東京大改革の一丁目一番地」に対し、豊洲問題への対応が逆行していると非難。野田に関しては、「異次元の規模で発信、情報公開をしている。」と語った点に対して特別秘書の給与も公開すべきとし、「野田氏が偉そうということはよくわかった。」と記した。公務員は奉仕者であり、主権者に対して偉そうであってはならない。違憲である。


野田は、そもそも百合子の特別秘書を務めている。十七日にフリージャーナリストの三宅勝久が「都知事特別秘書の給与公開求め提訴」した事をNHKが報じた。提訴した三宅は、七月に二人の特別秘書に対し情報公開を求めた所、給与に関する文書はのり弁(略、黒塗り)でった。給与の額等を都は秘匿した。


百合子は一年前の二十八年八月十二日の定例会見で、舛添要一(戊子)前都知事の海外出張の資料に対して「これまで真っ黒な資料で時には、のり弁の様に略真っ黒という事。これも皆様方が請求なさっても何も分からないという状況でありましたけれども、これは情報公開を進めるという事で御座います。勿論情報公開、特に国の場合等は、安全保障等の課題が御座いますけれども、できるだけ、この情報公開を、この都政においては進める。この事によって、見える化を徹底して参りたいと思っております。」と述べていた。特別秘書の給与開示は、国の安全保障等のレベルなのだろうか。



功労者は役職に就かせず

 百合子に特別秘書は二人いる。野田と元・読売新聞記者の宮地美陽子だ。期待されていた彼女のジャーナリズム精神は公務員になって、どうなったのだろうか。都のHPに二人の名前を記載している頁は報道現在で無い。


都Fの中でも情報公開を強く訴えている都議はいる。音喜多駿(癸亥、写真上)都議だ。都F躍進の功労者で、地方議員としては国内随一のブログ流入数を誇る。音喜多の情報発信は大きかった。公式ブログ{都民ファーストの会が「小池知事のイエスマン」になるかどうか、その鍵は『情報公開』にあり!}にて、野田・百合子両名の情報公開の姿勢を推した。


だが、音喜多を含めた元・かがやけTokyoは、先の執行部刷新で野田により冷遇された。都議選までは、都議会の会派の幹事長を音喜多は務めていたが、八月以降、会派の役員名簿に彼らの名前は無い。功労者で情報公開率先組は隅に追いやられている。



イメージダウン進行中、早めの損切りを

 行政公務員のマネジメントしか知らない百合子は、自身が都議選の時のみ都Fの代表に就き、都Fの組織運営を他人に任せる点は良かった。都政に専念し、都Fをアウトソース化できる。だが現状は芳しくない。何分、野田は持ってない。選挙や政治はイメージが重要だ。百合子のイメージは良くとも、野田の代表復帰後の都Fのイメージは下がり続けている。それは報道機関の野田への否定的な記事数を数えれば分かるだろう。


野田は都Fの都議が失言しない様に取材規制を敷いているのだろうが、これは短絡的であり、大きな失敗を招く。目先のデメリットよりも将来のデメリットを計算する。都Fは古い東京自民と異なる活躍を都民に期待されて躍進した。現状は先に挙げた事実より、変わる兆しは無い。野田が何を言おうが、有権者の都民は選挙で当選していない者が、自身等の投票によって当選した者を管理する事を善しとしない。日本で最大の経済力を担う都民は、それを乗っ取り(フリーライド)と見做すだろう。


今、都民は百合子に任された野田の手腕を観察している。会社でいえば野田は雇われの代取や執行役員であって、株主の期待に添えなければ、すげ替えるもの。すげ替える判断に至るまでには、決定的なイメージダウンがある。すげ替えなければならない時に、取締役会が実行しなければ、株主代表訴訟が起こる。それは百合子への辞任追及となる。

早く野田を替えた方が良い。さもなくば、野田の尻拭いで百合子も墜落する事になりかねない。人事はスマートに。


画像引用:小池都知事の「AI(人工知能)」発言のブラックさとは?/文春オンライン

撮影記事:金剛正臣

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