日・韓・印・尼・馬の五ヶ国が共同世論調査を発表、民主主義に警鐘

【社会報道】 平成二十九年九月四日に東京・六本木にて、非営利のシンクタンクである言論NPO(代表:工藤泰志)はアジア五ヶ国での民主主義に関する共同世論調査の結果を公表した。五ヶ国は日本、韓国、インド、インドネシア、マレーシア。韓国は東アジア研究院、インドはインド・オブザーバ研究財団、インドネシアはインドシネア国際戦略研究所、マレーシアはムルデカセンターが協力した。


共同世論調査は五ヶ国で七千人から回答を得た。アジアの国々で民主主義を採用しているのは三分の一程度。その民主主義国で民主主義の在り方が問われている局面である事が判明した。「民主主義はどんな他の政治形態よりは好ましい」が各国とも四割超と最も多いが、「一部、非民主主義的な形態でも構わない」「どんな政治形態でも構わない」の回答も増えた。政治のリーダシップの設問では「多少非民主的でも強いリーダシップが重要」が増加。



 「自国の民主主義は機能していない」理由につき、「政治は選挙に勝つ事だけが自己目的となり、課題解決に取り組んでいない」「政治、行政の汚職」を指摘する各国民は多い。民主主義のシステムを支える各機関への信頼でも「国会・議会」「政党」「メディア」への信頼度は低く、「政党に課題解決を期待できるか」では懐疑的な各国民が多かった。一方、信頼度が高いのは「軍」「警察」「司法・裁判所」であった。


工藤代表(写真上)は会見で「充分に民主主義の機能が発揮してないのだろうか。」と、課題解決のメカニズムに悲観論がある点を指摘した。また民主主義は絶えずメンテナンスを行う必要性を説いた。


インドのジャーナリストであるバラピ・エイヤー(写真上)は民主主義と経済、雇用の連関性を強調。ロシアとの関係も深いインドは、米国との関係強化により直近十年は経済成長を続け、開かれたインドになった。同じく経済成長を続けるマレーシアは、ムルデカセンターのイブラヒム・スフィアン共同創業者が中国とロシアの影響で強いリーダシップが求められている点を述べた。国内の宗教はイスラム教を始め、仏教、儒教・道教、ヒンドゥー教、キリスト教と多岐に亘る。



民主主義先進国・日本はアジアの民主主義国家及び非民主主義国家の模範となるべく、ベスト プラクティスの提供やリーダシップの発揮を期待されているだろう。尚、同日には「第三回 アジア言論人会議」も開催した。


撮影記事:金剛正臣

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