安倍・山口・前原・志位・小沢、そして百合子

【政治考察】 第一野党の代表に前原誠司(壬寅)元・外務大臣が選ばれた。平成二十九年十月二十二日が投票日の衆院三補選と来る衆院選で、安倍晋三(甲午)総理大臣と対峙する。安倍自民対前原民進。内閣支持率が五割に迫る中、民進の支持率は一桁で推移。先の臨時大会の会見で前原は「広報を抜本的に見直す。」と民進広報に力を入れる構え。


総理大臣になる意志を会見で公言した前原民進が政権交代を実現する鍵は二つある。一つは代表選に立候補していた枝野幸男(甲辰)元・官房長官が推していた共産党(書記長:志位和夫)との候補者一本化。もう一つは民進から離党した者を含む政治団体「日本ファーストの会(日F)」との連携。前者は自由党の小沢一郎(壬午)代表が絡み、後者は小池百合子(壬辰)都知事が絡む。



 前原は共産との連携を警戒している。臨時大会での演説でも見て取れた。小沢が打ち出している構想「オリーブの木」は細川連立政権と同じ様なスタイルだ。共産の志位(甲午)よりも共産のレジェンドと呼ばれる不破哲三(庚午)元・議長を意識してそうだ。共産との連立政権は考えにくい。


一方の日Fはどうか。九月二日の記事『与野党反応 前原誠司新代表に期待や注文、「憲法」「共闘」…/産経デジタル』では、日Fとの連携は見込みが薄そうだ。先の都議選で百合子率いる都Fが大勝したが、その恩恵を国政で受けるか否かは、公明党(代表:山口那津男)による。東京自民が大敗した理由は、公明の支持母体である創価学会の婦人部が都Fに付いたからだ。都Fも公明無しで闘えない。ともすれば、国政での自公連立政権を日Fないし民進が引き裂き、山口(壬辰)を味方にできれば自民に勝てる。


当該記事内で山口は「政権交代を目指す次期衆院選を考えると、その受け皿になり得る魅力的な政策についての議論を期待していたが、」と受け皿という文言を用いた。そして公明は六年の村山内閣(自社さ連立政権)下で分党をした経験もある。



国民の支持を得る

 前原は悩む。選択肢はどちらかしかない。共産と公明は何十年も犬猿の仲だ。相容れる事は決してないだろう。前原民進は小沢の推す共産を選ぶか、百合子が都で連携する公明を選ぶか。百合子は九月一日に会見で「日本新党としてスタートした同志として、日本の為に頑張って下さい。」と述べた。百合子にとっては、未来に再度の機会はあり得るだろうが、前原と小沢にとっては恐らく最期の機会が今だ。


闘うべきは十月の三補選と衆院選。安倍、山口、前原、志位、小沢。そして百合子。彼らの干支をみると「甲」「壬」、「寅」「辰」「午」に集中。政界を構成する主要メンバ六名の干支が集中するのは偶然だろうか、統計学的に偶然の確率に入るのだろうか。


先ず前原は支持率を倍どころか最低でも五倍以上に引き上げなければ、二つの鍵は何れも使えない。待ちではなく攻めのスタンスが代表単体に求められる。支持率が極端に上がれば、党内は結束に向うだろう。広報による支持率回復を無しに党内は結束しない。最初に攻める相手は決まっている、若者だ。国民は、これを機に数多の要求を民進に突き付けてみよう。


記事:金剛正臣

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