divkaの2018S/Sコレクションは明るく軽やかなエレガンス、パリ・上海・香港を廻る

【高級ファッション報道】 平成二十九年八月三十一日と九月一日に東京・恵比寿にて、ファッション ブランド『divka(代取:田中崇順)』は二〇一八春夏コレクションを報道向けに公開した。デザイナは田中代取、パタンナが松本志行。本コレクションは東京を後にパリ、上海、香港を廻る。十月の東京コレクションにも参加しに途中、帰国する。


ブランド設立は二十三年。今季のテーマは前々回に引き続く「パレット」。絵具を混合する為の板だ。これまでの服作りと、それらをより開かれたものにするという継続したテーマを重ね合わせ、これまでとは異なったdivkaの新しいイメージを生み出そうと試みた。テーマを引き継ぐ理由を「僕らは今まで暗いイメージが多かった。それで(服を)着てくれるお客様を限定してしまっていた。もうちょっと明るくしていきたい。色んな女性に着て貰いたい。」と田中代取は顧み、得意なカッティングを魅せつけるコレクションとなった。


「敢えて自分がやって無い事を選んで。」と挑戦した。テーマ「パレット」は、学生時代の課題で好きな色では無い残った色(嫌いな色、苦手な色)で画を描くという逸話から派生している。ポイントは「やって無い事を如何に自分らしくできるか。」と追及の眼差しは匠の表情であった。divkaは三十代・四十代を主要なターゲットに据えているが、下から上までの年齢層も意識している。



伊ボノット社の生地を使ったブラウスとAラインのスカートのセットアップ。スカートにはたっぷりと生地を使いdivkaらしいフレアのAラインとなっている。同社の特徴は間にアーティストが入る点。同社は昨秋に伊エルメネジルド・ゼニアグループの子会社になった。


仏ドーメル社の高級生地を使ったサマーウールのドレス。英国より毛織物を輸入している。東京のデザイナは、なかなか同社の生地を使えないが、同社がdivkaを知りオファーが来たという。特徴は百㌫のウールなのに十五㌫のストレッチ。ウールなのに伸び、光沢感がある。同社は現存する世界最古の服地商社として有名。


divkaは一季で数パターンのプリントものを拵える。田中代取が水彩絵の具でハンド ドロウウィングしプリント。グラフィックで起した。田中代取は英ロンドンの「セントラル・セント・マーティンズ美術大学」のファション科を首席で卒業し、ヨウジヤマモト等で研鑽を重ねた。


得意のジャージを使ったピーコック グリーンのワンショルダ ドレス。ジャージの端をパイピング等せずに裏で拘った。フロントの見返しにしっかりと領域をもたせ、エレガントさを醸し出した。ジャージはdivkaでも非常に人気の高いシリーズ。


透け感あるドレスは多い。下に何を着用して良いか困る際に役立つスリップだ。こちらもシースルーなのでドレスの魅力を損なわず肌を見せない。シースルーで無いとドレスの下の新たな色が浮き出てしまい魅力を損なう恐れがある。


最後は最も売れているというガウチョ パンツ。今季は三色用意した。


日本を代表するブランドに成長しつつあるdivka。ハンガに掛かっている状態では、divkaの立体的な構造の良さは分からない。着たみた時に初めて、各コレクションの美しいエレガントなフォルムが召喚される。無論、着心地・肌触りの良さは一流。そして今季はウェストマークを一重ではなく二重にするコレクションが散見された。余裕のある時はしっかりと絞りラインを強調でき、食事等で厳しい時には緩める事ができる。当然、緩めても異なったフォルムになりエレガンスさは損なわない。技アリの配慮だ。


撮影記事:金剛正臣

画像提供:㈱デペッシュモード

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