毎日新聞・小松浩 主筆「SNSは深い思考等ができない。」と|民主主義の試練をどう乗り越えるのか

【政治報道】 平成二十九年九月四日に東京・六本木にて、言論NPO(代表:工藤泰志)は公開フォーラム『民主主義の試練をどう乗り越えるのか』を開催した。セッションは「アジアの民主主義はどのような課題に直面しているのか」と「アジアの民主主義のため、まず何に取り組むべきか」の二つ。国会議員等がパネリストとして参加した。


工藤代表は「アジア五ヶ国の共同世論調査」より、各国とも共通で「選挙の時だけ民主主義。」と警鐘を鳴らす。「民主主義は様々な機関によって構成される。」と言論・報道機関の役割を重要視した。自民・逢沢一郎(甲午)衆議は公正な選挙を求め、「民主主義は時間が掛かる。妥協も必要。メディアとも協力をしながら。」と現実的なコメント。


民進・牧山弘恵(甲辰)参議は国民と行政のリンクの問題を挙げ、「国民の実質的な参画が進んでいない。政治的な話ができない。」と地方自治体も含めた、政治参画の現状を伝えた。無所属・松本剛明(乙亥)元外務大臣は「民意を政治に繋げていく。」と述べつつも、現実的にはイメージ投票に陥っており、有権者の方が情報が少ない情報の非対称性の問題を挙げた。対処策は国民のメディア リテラシの向上しかないだろう。


自民・中谷元(丁酉)元防衛大臣は報道につき、「マスコミを通じた色の付け方。」を問題視。較差や不公平感を結果的に煽っていると見做す。また「マスコミは大衆に迎合するとレベルが低くなったり。」と的を射た答えを放った。



 毎日新聞・小松浩 主筆は国民の将来へのビジョン・不安に着目。国民が悲観している一番大きな要因を「責任ある“安心する未来”に(政府が)応えていない。」と断じ、またメディアの在り方も問うた。「メディアは、できるだけ少数派の意見を伝える。」と本質を述べ、政治に関しては「報道によって(本質を)見えなくしている。」と政局ばかりを追う報道姿勢に疑問符を抱いている。更にSNSの発達につき、「深い思考等ができない。」と一定の役割を評価するも、短文による情報発信に警戒感を顕わにした。


特に小松主筆が記者に関して「記者はかつて五感を使って。」と、現代では他人の目を借りてやらざるを得ない点を指摘。それはデスクと現場であり、日本と海外等である。複数人が絡み作り上げる報道は、現場の記者やカメラマンが知ったそれとは異なり易い。そして数字を求めるあまり、政治の報道がゴシップ化していく。今は民主主義の岐路かもしれない。


撮影記事:金剛正臣

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