ミッツ・マングローブが映画『ノクターナル・アニマルズ』に女性への業をみる

【芸能報道】 平成二十九年十月二十四日に東京・市ヶ谷にて、ビターズ・エンド(代表:定井勇二)は映画『ノクターナル・アニマルズ』のトークイベントを行った。ゲストとして女装家のミッツ・マングローブ(乙卯)が登場。本作は十一月三日より公開している。


世界的ファッション デザイナのトム・フォード(辛丑)が挑んだ長編二作目。上映を終えたスクリーンの前でミッツは終わらせ方に着目。「あのラストシーンは滅茶苦茶、分からないですよ。私にとっても最大のファンタジ。」と述べた。作品全体をフォードのセンスを加味した上での「それだけ美しかった。」と総括。原作を大きくフォードが変えている。


 フォードが米・テキサス出身である点に触れた。テキサスは米国内でも随一の保守的な地域である事を伝え、テキサスで育った彼に思いを馳せる。「友達や家族への沸々が溜まっていたのね。」と、世界的な革新センスを有するに至るを見る。だが一方で劇中での「テキサス感を捨てられないんだろうな。故郷を。」と革新的な作風の中の保守的を指摘した。


脇を固める悪者二人に対しては、「綺麗だった。ファッション誌みたいだった。」とデザイナ・フォードの本領が発揮されている模様。劇中では多くの芸術品を揃えている点もポイントだ。作り方に関しては、入れ子構造で現実と虚構の行き交いである事を話した。また「音楽がとっても分かり易かった。現在・過去を判断できる。」と称賛。


 更に女装家ならではの意見として、「女性に対する業。」をミッツは感じた。「復讐が一つのキーワード。」と復讐心が生きるモチベーションの根源とした。最後に「美しいというのは、儚く愚かなものなのだな。」と自身の経験も重ねながら溢した様であった。


=クレジット=

11月3日(金・祝)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

(C)Universal Pictures


記事:荒田雅×撮影:金剛正臣

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