比例区の票数で視る「安倍一強」論の考察

【政治考察】 結果的には安倍一強に戻った。だが、それはシステムの結果であって国民にとっては安倍一強ではない。平成二十九年十月二十四日の総務省の確定数値によれば、比例区の主要党派別の得票数・得票率は、以下の通り(十万台・小数点を四捨五入)。


  1. 自民:一千九百万票・三十三㌫
  2. 立憲:一千百万票・二十㌫
  3. 希望:一千万票・十七㌫
  4. 公明:七百万票・十三㌫
  5. 共産:四百万票・八㌫
  6. 維新:三百万票・六㌫
  7. 社民:百万票・二㌫


手荒いが「排除の論理」が出なかったとして、立憲・希望を単純合算すると二千百。自民を二百万も上回る。与党の自公を合算すると二千六百万票。立憲・希望・共産・維新を合算すると二千八百万。野党の選挙協力で政権交代し、希望・小池百合子(壬辰)代表が総理大臣になっていた可能性がある。民進・前原誠司(壬寅)代表の決断自体は数字上で過ちではない。事実、民進系は「衆院選二〇一七」で議席を増やしている。



前回の「衆院選二〇一四」は以下の通り(同じく総務省より)。維新が大きく落ちた事が分かる。だが自民は略維持で、野党の獲得票数を診ると安倍一強とは言い難い。


  1. 自民:一千八百万・三十三㌫
  2. 民主:一千万・十八㌫
  3. 維新:八百万:十六㌫
  4. 公明:七百万:十四㌫
  5. 共産:六百万・十一㌫
  6. 次世代:百万・三㌫
  7. 社民:百万・二㌫
  8. 生活:百万・二㌫



前々回の「衆院選二〇一二」は以下の通り(同じく総務省より)。第二次安倍政権が誕生した、詰まり政権交代した選挙だ。やはり自民は然程、変化がない。強いていうなれば、この時より安倍一強の結果である。


  1. 自民:一千七百万・二十八㌫
  2. 維新:一千二百万・二十㌫
  3. 民主:一千万・十六㌫
  4. 公明:七百万・十二㌫
  5. みんな:五百万・九㌫
  6. 共産:四百万・六㌫
  7. 未来:三百万・六㌫
  8. 社民:百万・二㌫


過去三回の衆院選を視ても、票数は安倍一強ではない。今回の獲得比例議席数は自民が六十六、立憲は三十七、希望は三十二、公明が二十一、共産は十一、維新は八、社民は一。立憲・希望で六十九だ。比例区はドント方式なので、比較的に票数通りの結果となる。




<小選挙区のシステムを変えるか、野党一本化か>

 だが小選挙区は異なる。最高裁でも一票の格差を問われている小選挙区だ。各メディアが伝えている通り、死票が増えるのが小選挙区。今回、自民が二百十五、立憲は十七、希望は十八。立憲・希望を合算しても三十五と自民の二割にも満たない。比例区とは大きな違いだ。


決選投票式にすると結果は大きく変わる。端的に言うと、小選挙区では与党に世論的な致命傷がない限りは、野党乱立の効果として自ずと当選する。反与党の票が割れる為だ。よって必ずしも、そのエリアの民意を代表している訳ではないという問題が浮上している。


だから自由・小沢一郎(壬午)代表は構想「オリーブの木」で野党結集を呼び掛けていた。共産だろうが、何だろうが、野党が乱立して選挙に挑むならば、自ずと与党の自公が勝つ様なシステムにでき上がっている。政権交代を真剣に考えるのであれば、自公が立候補した小選挙区には野党一人のみが立候補する状況にしなければならない。


是が単一に対して、非が複数では輪廻である。それは較差社会が拡がる事を意味する。


記事:羽田野正法

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