原作・紗倉まなも登壇、映画『最低。』で伝える承認欲求の実|TIFF2017

【芸能報道】 平成二十九年十月三十一日に東京・六本木にて、映画『最低。/KADOKAWA』の記者会見が「TIFF二〇一七」内で開かれた。登壇者は瀬々敬久(庚子)監督、森口彩乃(丙寅)、佐々木心音(庚午)、山田愛奈(戊寅)と原作のS女優・紗倉まな(癸酉)の計五名。本作は日本からのコンペ部門出品二作の内の一作。


まな(写真上)は「今も自分が、そういう仕事をしている事もあるので、ずっと偏見が無くなれば良いなと思っていたんですけれども。」と、S界で働く女性に対する社会からの偏見を感じていた様子。だがS界の女優のアイドル化や職業差別の社会的認知等により、「(偏見が)薄れてきている部分もあったり。」と好転している点を伝えた。「年間千人以上がAVデビューしているという事は、それだけの女の子の普通の日常もある。」と、まなが原作で描きたかった旨を話した。


監督(写真上)は三人の女優を其々、如何様に撮ったかを説明した。彩乃には「ドキュメンタリの様に撮らして貰いました。」と、人前で初めて裸を魅せる彩乃に虚構は交ぜなかった。心音には「SEXシーンがこなれている。ベテランの風格がありました。」と褒め、心音のバックボーンである舞台やグラビアの才能を芸術に高めた。ぼんやりとした女子高生と称した愛奈には、「一から(現場を)勉強していた姿が健気。」と、新潟から出てきたばっかりの純な部分を押さえた模様。



<身近な事>

 本作を通じてS界への見方は変わったかの問いに彩乃(写真上)は大分変わった、心音は全然変わらなかった、愛奈は未知であった。彩乃は別世界の人達と認識していたのが、普通の女性と知り、身近になった点を伝えた。役どころはS界に入った主婦であった。「自分の友達が、そういう世界に足を踏み入れる可能性があるっていう位、身近な事なんだな。」と真剣な眼差しで述べた。


心音(写真上)は「どんな仕事の人でも友達になりたい。」と、職業による差別は一切無い。了見が広い。役どころは母と確執ある人気女優。「職業がたまたまAVと思っているので。」と演技では兎角、意識をせずに「普通の女の子として。」演じた。


愛奈(写真上)の役どころはS界に踏み入れた母の娘。「実際、この役でしか(S界の)想像がつかなかったので。」と、そもそもがS界に初見。職業云々よりも母子の愛を語り、「母からの愛は、どんな形であっても変わらない。」と要旨を伝えた。


また、報道現在で二十四歳のまやは「光りが当たれば影が。」と、S界の話題では影であるネガティブな面に焦点が当てられている事より、光りのポジティブな面に焦点を当てたい胸中を明かした。併せてS界に入る理由は「金」「承認欲求」と先輩から聞いた点を監督は挙げた。本作を後者として「自分の居場所を探している。今の日本の人達に共有できる問題。」と社会性高い作品である点を強調。特に、まやは監督の承認欲求の下りで幾度も頷いた。

尚、本作の英語表記は『The Lowlife』。TIFF後は、十一月二十五日より全国公開する。


撮影記事:金剛正臣

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