取締役が押さえる≪リーダー論≫

【ビジネス論説】 組織にリーダー(指導者)が必要な点は、触れるまでもない。行政であれば、内閣総理大臣がリーダーとしての手腕を発揮する。二十一世紀型のリーダーは、グローバル戦が前提で、経済環境はよく変わる。よって、硬直的なリーダでは駄目なのだ。臨機応変能力が問われる時代だ。イマのリーダーに必要な要素は、スペシャリスト且つゼネラリスト。


総理を例にとろう。安倍総理は“改憲”に政治生命を懸けている。しかし当然ながら、経済等の施策もあり国内外の仕事の幅は多岐に亘る。彼は専門家ではない分野も多い。否、リーダーはある特定の分野にだけ専門的であり、その他の多数では素人同然かも知れない。イマは特に臨機応変が効くリーダーが重要だ。専門外のコトをよく聴き、学び意思決定を行って、結果を出す。



<価値観とコミュニケーション>

 ビジネスにおいても行政と変わらない。結果を出し、成長を見込めるか。意志決定の際に基盤となるは、判断基準。この判断基準が定まっていないと、全てが定まらない。乱気流の中にいる時代だが、一先ずは目先を定めなければチームが動けない。経営コンサルタントの小宮一慶は、優れたリーダーが意思決定をできる理由を二つ挙げた。一つは「お客さまや社会を見ている」こと。二つは「正しい価値観」を判断基準としていること。


 | ピーター・ドラッカーは、事業の「目的」ということをとても重要視していますが、何のためにその事業を行うのかということがとても大切なのです(「正しい判断基準」を持つためにリーダーは何を学ぶべきか?)



「正しい価値観」に基づいて、事業の「目的」が設定されたのか、という命題である。では如何にして「正しい価値観」を醸成するのであろう。書物を漁るコトも大切であるが、ビジネスはヒトが創るので、イマのヒトを知るべきだ。小泉純一郎 元総理の秘書官を務めた国会議員秘書の飯島勲は、リーダーに求められる要素を二つ挙げた。一つは営業成績。二つは上司や部下とのコミュニケーション能力。「正しい価値観」には後者が不可欠だ。


 | そこでコミュニケーション能力を高めるアイテムとしてタバコが登場する。タバコ部屋は、部署や階級の壁を越えた人間関係を築くことができる最高の環境だ(世界のセレブはなぜ、タバコを吸うか ※画像は当該記事より引用)



<内向的とイノベーション>

 次に人間そのものだ。一般的にリーダーは外交的で明るく、前向き。そんなイメージが市井にあろうが、実際は異なるであろう。明るく振る舞うコトとただ明るいダケでは、まるで印象が異なるだろう。「リーダーに向いてない」と自己判断している者が、実はリーダーにい向いている可能性がある。ウォートン経営大学院のアダム・グラントは、内向的なリーダーが良い結果を出すという研究結果を出した。


 | 反対に、内向的なリーダーはというと、メンバーの発言の要素を冷静に判断し、より効率的な方法を検討することができた(内向的な人こそ「優秀なリーダー」だ!その理由と研究結果)


二十一世紀のビジネスは、各個が定期的にイノベーションを起こす。リーダーは自身でなくともイノベーションを起こせる必要性がある。さもなくば、市場環境の変化に対し常に後手の対応となり、直に淘汰される。イノベーションを意図して起こすコト程、難しいモノはない。リーダーにとって最大の難所だ。井上功は、リクルート マネージメント ソリューションズのエグゼクティブ プランナーだ。リクルートGは調査「平成生まれ版:働きがい企業ランキング」で席巻した。井上は、エリート社員にはリーダーは向かず、イノベーションが出来ないといわんばかりだ。


 | ヨソ者であるがゆえに組織での成功体験を積んでいないことも、イノベーションを起こすうえで有利に働きます。成功体験は人をしばります。そして成功が続くと、どうしても守りに入ってしまいます。それが新たな思考、大胆な行動を邪魔する壁になってしまうのです(ヨソ者、バカ者、若者がイノベーションを起こす)



<勝てるリーダーではなく、勝つタメのリーダー>

 リーダーはそこに属する者を導くコト。これに尽きる。フランス襲撃のISにもリーダーがいる。導く先に善悪の区別がない。どちらが善かは、現状では戦勝国が決める。ISの問題も第一次大戦の英国に帰納する。勝てば官軍、負ければ賊軍は、中国の戦国時代から変わらない。ビジネス リーダーも同じ。ビジネスで勝てば、善きリーダーなのだ。善悪はその時々の勝者により、移り変わる。


どこに導きたいのか。これはハッキリしないといけない。詰まりは、ビジョンだ。そこへ行き何をしたいのか。どうやって導くのか。何故、そこなのか。数ある戦略の中からどちらを選ぶのか。そして、戦友、誰と行くのか。リーダーは、これらを決めるべきだろう。

(了)

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