地方企業の四年度『DX予算』増は三割強|地方の中小企業におけるDX実態/エイトレッド

【金融報道】 ワークフローDXのリーディングカンパニ・エイトレッド(3969.T1)は、令和四年一月二十六日に全国の中小企業(従業員数三十人〜三百人名未満、東京・大阪・愛知を除く)の『地方中小企業のDX実態』調査を公表した。対象は経営者・役員の百四十一名。昨年十一月に調査。

昨年末の「東京の中小企業におけるDX実態」調査と比較した。


「Q1.DXの推進状況」を問うた所、「あまり」が二十九.一㌫、「全く」が二十七.七㌫という回答。東京版に対し、「かなり」は二.五㌽少ないものの、「全く」も八.五㌽少なく、殆ど状況は変わらない結果となった。


「Q2.二〇二二年度に向けてDXの為の予算を二〇二一年より増加予定か」では「かなり増加する」が七.一㌫、「やや増加する」が二十六.二㌫。東京版に対し、「増加する」は十.一㌽高い


「Q3.会社で導入しているツール(複数回答)」では「GWを導入」が三十六.九㌫%、「OL会議・TWを標準化」が三十四.〇㌫、「チャットツール等、気軽にコミュニケーションを取れるシステムを導入」が二十六.二㌫。

東京版に対して「OL会議・TWを標準」が八.七㌽、「コミュニケーションシステム」が五.七㌽少ない一方で「経費精算システム」は六.九㌽、「電子契約書の標準化」は六.七㌽多い


「Q4.DX推進が滞っている理由(複数回答)」では、「DX推進の人材不足」が三十六.二㌫、「DX推進のアイデアや企画・戦略立案が難しい」が三十二.五㌫、「何から手をつけて良いか分からない」が三十二.五㌫。

東京版に対し、Q2にて「予算が増加しない」の回答が少なかった為か、「予算が割けない」が四.五㌫少なかった一方で、二番目に多い回答「アイデアや企画」が東京版に比べ二十四㌽も多く、東京版の約四倍。

東京では「予算」面が課題になっている一方で、地方では「人材不足」や「企画が難しい」等の人材面が課題になっている事が明らかになった。 


「Q5.DX推進が滞っている理由がQ4以外にあれば(自由回答)」では、「必要とは思えない」「自社に合うDXが分からない」等の四十五の回答を得た。


「Q6.今後、DXを推進したいか」では、「かなり」が十一.一㌫、「やや」が五十八.八㌫。

東京版に対して「推進したい」が二十五.五㌽も多い。Q2「DX予算」の結果同様に、東京の中小よりも地方の中小の方が今後のDX推進に積極的な姿勢がある事が伺える。


「Q7.DXを推進する事でどの様な課題解決を期待(複数回答)」では、「業務効率化」が八十.四㌫、「生産性向上」が六十九.六㌫、「社内の情報共有の円滑化」が四十二.九㌫。

東京版に対して「TW等の柔軟な働き方の実現」が六.六㌽、「商圏の拡大」が十五.九㌽少なく、「商圏の拡大」に関しては東京版の約四分の一に。


以下は、同社の考察。

DXを通じたビジネス拡大は、内部業務効率化の次のフェーズとして位置付けられる事もあり、東京と比較し、地方はまだビジネス拡大へつながるDX、とは捉えられていないのかもしれません。

DXの段階に応じ、必要となる予算や人材、行うべき事は異なります。今回の調査結果から、地方ではDXがこれから始まる初期段階、と考えられます。この事は、地方においてはDX推進が滞っている理由の第一位として「人材」が挙げられている事からも読み取れます。DXに取組むには、それを推進する旗振り役が必要であり、業務デジタル化に当たっての社内業務フローの整備やシステム導入・運用定着には、一定のITスキルやリテラシも必要です。

一方で、東京ではDXをこれ以上推進する為にはより大きな投資が必要になっており、それが「予算」という壁になっているのかもしれません。


今回の調査結果から「DXを推進したいと考えているけど何から手を着けて良いのか分からない、人手も無い」という中小企業経営者の切実な本音が垣間見えました。リソースが限られている中で重要な事は、先ず紙の電子化等比較的取組み易い事から一歩ずつ取組み、データの蓄積と活用を継続していく事です。

今後、日本の九割以上を占める中小企業におけるDX推進の加速が、日本全体の更なる生産性や競争力向上の重要な鍵となるでしょう

画像:㈱エイトレッド

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