脱ゆとり世代はゆとり世代と異なる

【社会コラム】 NHKの紅白歌合戦へ大阪府立登美丘高校のダンス部の出演が決まった。歌ではなくダンスだ。安倍政権下で三十年近く実施していた「ゆとり教育」が終わり、移行期間を経て、平成九年生まれから「脱ゆとり教育」の世代となる。今回出場するダンス部の三年生は高校入学時より全て「脱ゆとり教育」。ゆとり(凝縮)世代とは異なる。


一番の差異は義務教育における武道・ダンスの必修化。平成二十年から始まった。脱ゆとり世代はダンス世代とも云える。教育内容の変更と武道・ダンス必修化は大きい。子どもの成長期に国が教える基準は凝縮世代よりもハードルが高くなり、身体を鍛える授業が組み込まれた。特にダンスは機敏な動きを求められるだけでなく、持久力や忍耐、そして先のダンス部の様に友達と息を合わせた振付けが欠かせない。



<光明、差す>

 凝縮世代は他人(相手の考えている事など)を認識する力が弱い。故に上の世代から異質な若者と映る。これは彼らが悪いのではなく、自身を重要視する様に国と社会が教え込んだ結果である。ワンマンには向いているかもしれない。その力は零細企業を軌道に乗せる際に必要な力だ。だが、今から凝縮世代にダンスでチームワークを求めても、一つのショウになるまでには苦労するであろう。


若者と一括りにしては間違う。凝縮世代とダンス世代は性格や能力等の様々な点で差異が見受けられる。特にメンタル(精神)に着目されたい。義務教育でフィジカル(身体)を鍛えた効果は甚大で、メンタルに強靭さを与える。その結果が冒頭のニュースで成果となった。ダンス世代の全部が社会に出る頃、日本は五輪を終えている。新たな属性の人材が社会に流入する。二十二年生まれで小学生から「脱ゆとり教育」となる。


そして十八年生まれからは「脱ゆとり教育」から「新教育」へ。二十五年生まれで小学生から「新教育」となる。また新たな世代が誕生する。それは個人主義タイプ(凝縮)から知識・協調(ダンス)タイプ、そして思考・道徳(未明)タイプへと流れる。教育なので明確な線引きはない。あくまでも大観だ。安倍政権の最大の功績は教育改革であろう。その功績が表に出るには後、幾十年も要する。断言できる事は絶望の日本ではなく、光明が差す日本が待っている。


記事:金剛正臣

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