小規模自治体を対象に「多数参画型議会」、地方創生の新たなビジネス機会へ

【ビジネス考察】 平成三十年一月十三日に毎日新聞(代取:朝比奈豊)が、三月に公表予定の総務省(大臣:野田聖子、写真上)の「町村議会のあり方に関する研究会(座長:小田切徳美 明大教授)」が出す報告書の骨格を報じた。小規模自治体を対象として、新たに「集中専門型議会」と「多数参画型議会」を選択可能な制度を提案する。議員のなり手減少への対策だ。


「集中専門型議会」とは、少数の常勤議員での構成。略現行通りで報酬はやや増額できる。「多数参画型議会」とは、非常勤議員で構成。兼業を前提としている。報酬としての生活給の保障はなく、議会は夜間・休日開催、一部議決権の除外等と現行とは大きく異なる。後者はビジネスマンと自治体にとって地方再生の機会となる。


二十九年十二月十九日に開催された第五回の概要によれば、「多数の非専業的議員により構成される議会のあり方(多数参画型)については、参画するための議会であり、首長に対する監視機能に特化したイメージであるというような基本的理念を明確にする必要がある」とした。


多数参画型は自治体の仕事を請け負い中でも兼業が可能な為、ビジネスと自治体が融合し易すくなる。地方創生の基盤はビジネスである。立法化はまだ先なので、小規模自治体の最終的な定義によるが、地方の議会及び行政はビジネスマンの争奪戦となる。ビジネス側では売り込みの機会であり、B2Gの一種としての拠点を構える事ができる。それは議会及び自治体の民が恩恵を受ける間は安定収益となる。ベストプラクティスはTOYOTAと愛知・豊田だ。


対象となる行政区画の単位は市町村と群。取締役等が議員になり、議会の賛同を得れれば、自治体と一体のビジネスを展開できる。複数の市町村と連携すれば、シナジも発生する。重要な効果は拠点自治体が潤う事だ。生産拠点や新規事業開発拠点、グローバル拠点等と何れも就業機会を与えて税金のバックアップを得れる。


多数参画型を選択しそうな胸襟を開いた自治体を探し始める時であろう。


記事:羽田野正法×撮影:金剛正臣

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