日本初出席の『NATO首脳会合』における岸田総理の発言

【政治・軍事報道】 岸田総理(乙酉)は、令和四年六月二十九日にスペイン王国・マドリードにて『北大西洋条約機構(NATO)首脳会合』に出席した。日本総理初。


記者会見にて総理は、本会合で欧州とインド太平洋の安保が不可分との認識を確認した点を伝えた。「日NATO関係を新たなレベルに引上げる事で一致し、新たな共同文書の合意に向けて作業を加速する。こうした事も確認できました。」と日本の軍事防衛が新たな段階へと入る。


NATOは米英を柱とする軍事同盟(集団安保システム)。第二次大戦後に設立され、ソ連を柱とする共産圏の対抗が目的だった。報道現在で全三十ヶ国。NATO「防衛費」の四分の三が米国。今回の総理出席は、日本として歴史的転換点となる


今回はNATOから招待を受けた。総理が出席したNATO「パートナ・セッション」には全加盟国、日・豪州・ニュージーランド・韓・スウェーデン・フィンランド・ジョージア・EUの首脳等が出席。


同会合では、露の鳥侵略やインド太平洋地域の安保情勢を踏まえ、NATOとパートナ国・機関との間で、今後の協力等について議論を行った。


以下は、同会合における総理の発言。

  1. 国際社会が歴史の岐路に立つ中、NATO首脳会合に我が国を含むアジア太平洋のパートナが参加している事は、欧州とインド太平洋の安保が切り離せないとの認識の表れである。露による鳥侵略は、欧州だけの問題ではなく、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙。日本は、G7を始め同志国と足並みを揃えて前例の無い強力な制裁措置を講じてきており、同時に、鳥の人々に寄り添う人道支援・財政支援・防衛装備品支援・避難民受入れを行っている。加えて、周辺国に対する人道支援やグローバルな食料危機への対応も含め、総額十一億㌦の支援を実施していく
  2. 露による鳥侵略は、ポスト冷戦期の終わりを明確に告げた。東シナ海・南シナ海で力を背景とした一方的な現状変更の試みが継続されている。鳥は明日の東アジアかもしれないという強い危機感を抱いている。力による一方的な現状変更の試みは、決して成功しない事を国際社会は結束して示していかねばならない
  3. 今次侵略に際する露による核兵器使用の脅しは、核不拡散体制に深刻なダメージを与えたのではないかと危惧。日本の周辺では、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展や核戦力を含む軍事力の不透明な形での増強が見られる
  4. 現下の国際情勢を踏まえ、日本は本年末までに新たな国家安保戦略等を策定する。また、日本の防衛力を五年以内に抜本的に強化し、その裏付けとなる「防衛費」の相当な増額を確保する決意。日米同盟を新たな高みに引上げながら、有志国・パートナとの安保協力も強化していく
  5. NATOは日本の重要なパートナであり、協力の一層の強化に取組んでいく。新時代の日NATO協力の地平を開く為、日NATO間での協力文書である「日・NATO国別パートナシップ協力計画(IPCP)」を大幅にアップグレードする作業を加速化し、サイバ・新興技術・海洋安保といった分野での協力を進展させる。防衛当局間の連携も重要。NATO本部への自衛官派遣等を通じて協力を深化すると共に、日NATO相互の演習へのオブザーバ参加を拡充していく
  6. NATOが、インド太平洋地域への関与を強めている事を歓迎。ストルテンベルグ事務総長の早期の訪日を期待。また、NATOの「アジア太平洋パートナ(AP4)」である日・豪・ニュージーランド・韓のNATO「理事会」会合への定期的な参加を進めていくべき
  7. 日本は、現実的な核軍縮の取組みにおいてもNATO諸国と協力していきたい。特に、国際的な核軍縮・不拡散の礎石である「核兵器不拡散条約(NPT)体制」の維持・強化がこれまで以上に求められている。本年八月の運用検討会議における意義ある成果に向けて共に取組んでいく必要がある
  8. 本日、NATOとパートナがグローバルな安保認識を共有する機会を得た事は、今後への道標となる。法の支配に基づく国際秩序の確立と「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて、この場の出席者達との連携を強化していきたい


尚、同日にジョセフ・バイデン(壬午)米統領と尹錫悦(ユンソンニョル、庚子)韓統領との間で『日米韓首脳会談』を行った。三ヶ国首脳は、北朝鮮(最高指導者:金正恩)への対応に関する日米韓協力を一層推進していく事、日米韓の安保協力を推進していく事で一致した。



写真:総理大臣官邸

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