池戸万作が最も精緻な『参院選』予測、“α”の存在が浮き彫りに

【政治報道】 令和四年七月十四日に政治経済アナリスト・池戸万作(癸亥)は、動画『自民党圧勝の参議院選挙を大総括!消費増税への最悪のシナリオ』を公開。第二十六回『参院選』の各党の獲得議席を略的中させた。


池戸は投開票日の三日前となる七日に予測を伝えていた。上図は左が予測、右が実際。略、誤差の数字と言える程に的中させた。ハイムは公明党の議席減を予測。維新の会は選挙期間中にハイムが若いエリート層へ警鐘を鳴らした事により、首都圏から勢いにブレーキ。国民党はファーストの会連携という不誠実があったが、ハイムが以前から推していた事により、微減に留まった。


詰まり、ハイムの報道を省けば、池戸の予測精度は国内屈指と言える。



<他のアナリストとの比較>

 他の予測者も確認する。上図は選挙プランナ・松田馨(庚申)による七日時点の予測。こちらも誤差の範囲。参政党は後、十七万人の「比例票」で二議席目を獲れた。


但し、松田は六月八日時点では、上図の様に大きなトレンドは変わらないものの、立憲党等に修正を加えている。その修正は的中した。


同じく選挙プランナ・三浦博史(辛卯)も六月時点の松田と大差が無かったが、公明党が議席を減らす可能性に言及していた点は大きい。三浦は「しらけ世代」。松田と池戸は「氷河期世代・後期」。三者の中で僅差ではあるが、池戸が最も精度が高い予測となった。



池戸万作の強み

 では池戸の強みは何か。有権者を上図「日本政治の分類」の様に政治思想(特に財政思想)で分析している点だ。七月七日の予測動画では「参政党に関しては、事務局長の方がですね、街宣で『税金は財源です。』と言っていったのが、大変に残念でした。」と、財政に明るい有権者の気持ちと一致した。


有権者は「投票者」と「静観者」に分かれる。基本的に選挙に行く者が前者。基本的に選挙へは行かない者を後者。前者の分析は党員等の情報から基礎データを採り易い。後者は主に「無党派」と呼ばれているが、厳密には消極的「静観者」=αと積極的「静観者」=βに分けられる。


投票率を左右するのは、無党派。無党派=静観者と仮に据えると、その中でもα(アーリーマジョリティ)が国政を左右する。


彼らに政治財政思想がある、とは言い難い。あくまでも分析者が括っているだけであって、本人達は、その時の興味にヒットすれば、行動(投票)をする。βは基本的に何があっても行動しない、と視る(レイトマジョリティとラガード)。



<日本を左右する“α”>

 池戸のセンスの良さは、正にαの感性を捉えた点にある。これは「イノベータ理論」上のアーリマジョリティの心理を理解している点にある。投票におけるαの興味は『財政=金』だ。依って、池戸の上図の分類が重要となる。


池戸は、維新の会の議席増の理由を三十代・四十代と予測。自民党や立憲党ではなく、維新の会を選ぶだろうとの予測だった。これは他の分析者も予測していた。維新の会の方が金(所得)を増やしてくれそうだ、と。但し、これは間違い。池戸の図の様に緊縮財政であるので、金(所得)は減る。学習には時間を要するもの。


有権者数は一億人いるので、一㌫の投票率上昇は、百万票の増加となる。今回の投票率は五十二㌫前後。前回の参院選よりも三㌽も高い=三百万票の増。三百万人のαが動いた。参政党の比例百八十万票がすっぽり入る。如何に日本の政治にとってαが重大かが分かるだろう。



αが行動する理由

 そこで池戸が提示している「反緊縮 保守派≒ブルー・オーシャン」がポイントになる。ハイマなら理解しているだろうが、日本国の財源は「税金」と「国債発行=財政出動」しかない。どんなに優れた施策でも、財源が税金であれば、増税になるだけなので、αには支持されない。金は減らされたくない。


議席を増やした自民党・新選組・NHK党は、財政出動を唱えていた。財政出動を唱えていたものの、国民党はファーストの会との連携で忌避され、議席減。


未だ先の参院選の年代別投票率は公表されてないが、恐らく大きく動いたαは中堅・シニア。若者・若手のαは圧倒的に動かなかっただろう。そもそも若者・若手の殆どがαとβ。ハイムの分析では、若者・若手のαが投票する理由は以下の通り。


  1. 自身達に政策のメリットが直接ある(若者・若手=中堅=シニアの平等)
  2. 増税のデメリットがあったとしても、メリットが上回っていれば考えなくもない
  3. だが政策の財源の基本は、財政出動
  4. そもそも候補者とその周辺の“感じ”が良いか? “態度”が偉そうではないか?
  5. 悪・嘘はご法度。正義が大事。真摯な謝罪は認める



NHK党と参政党

 十六日に「カピバラチャンネル」に出演した池戸は、NHK党に関し、全選挙区擁立及び定数擁立を評価。前回の参院選から国政政党と成った同党の戦略を「革命的。もの凄い戦略。」と。選挙区で得票率二㌫の荒業を達成。今回は選挙区・比例区共に略二㌫を達成。得票率二㌫が国政政党の要件。


また、芸能人の得票数が下がってきており、自民党の比例得票数が首位となったのが漫画家だった点より「声優」や「YouTuber」の立候補がαに響く可能性に言及していた。


「デジタル通貨」の参政党に関し、デジタル発行の手法は疑問視しつつも、政府債務を削る点には賛同。併せて、「選挙戦略が上手いですよね。」と、先のNHK党の戦略模倣を高評価。JNN調査では十代の六.九㌫、二十代の五.九㌫、三十代の四.八㌫が投票した(イノベータ及びアーリアダプタ)。一千人擁立予定の来夏『統一地方選』次第では、「新選組を超えていく可能性は十分にあると思います。」と述べた。同党の経済政策は「令和の所得倍増」。


尚、「東京選挙区」の投票率は五十六.五五㌫と、異例の全国三位だった事を東京新聞が報じた。前回の参院選では十一位。今回の首位は「山形」の六十一.八七㌫、二位が「長野」の五十七.七〇㌫。


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