十二月に所沢でバレエ『眠れる森の美女』

【芸術報道】 令和四年十二月十七日・十八日の両日に埼玉・所沢にてNBAバレエ団(理事長:榎本晴夫)は、『眠れる森の美女』を初上演する。八月十九日より一般発売を開始。所沢市文化振興事業団(理事長:藤本正人)との共催。


本作は「白鳥の湖」「くるみ割り人形」と並ぶ露ピョートル・チャイコフスキー(庚子)の三大バレエの一つ。世界作品。初演は今から約百三十年前の明治二十三年「マリインスキー劇場」。振付はマリウス・プティパ。


当時、同劇場のイワン・フセヴォロシスキー支配人が、童話「眠れる森の美女/シャルル・ペロー」に基づくバレエ音楽の作曲をチャイコフスキーに依頼。莫大な予算を掛け、豪華絢爛なバレエを作り上げた。


 魔女カラボスの呪いで倒れた「オーロラ姫」が百年の眠りから覚め、王子と結ばれるストーリに加え、様々なおとぎ話に出てくる長靴を履いた猫や赤ずきん、青い鳥とフロリナ王女等の魅力的なキャラクタ達も登場する。


本作は原型に基づく場合、三時間以上と上演時間が長い事でも有名。併し、今回は見所を凝縮して二時間で上演する。小さい子どもから大人まで舞台を愉しめる様に工夫した。色取り取りの華やかでカラフルな衣装も見所の一つ。今回、主役の衣装を新規製作し、同バレエ団が総力を挙げて初上演に挑む。


オーロラ姫は、令和三年に「シンデレラ」で初主演を果たした野久保奈央(写真上、十七日十三時・十八日十四時)と近年、様々な演目で主役を務めてきた竹内碧(写真下、十七日十七時半)。


「デジレ王子」は四月にファースト ソリストに昇格した刑部星矢(十七日十三時・十八日十四時)と数多くの主演を務めてきた宮内浩之(十七日十七時半)。トリプルキャストとなる役もあり、鑑賞する回を選べる。


妖精達の多彩な踊りや技術力・表現力の見せ場である「ローズアダージオ」、おとぎ話の主人公達による「ディヴェルティスマン」と呼ばれる華やかで楽しい踊り等も見所。


=あらすじ= 

プロローグ

 ある王国で、長年子どものいなかった国王夫妻に姫君が誕生した。今日は、その姫君、オーロラの洗礼式。祝いの場には妖精達が招かれていて、それぞれ姫に贈り物を授けていた。

その時、洗礼式に招かれていなかった悪の精カラボスが現れて、「姫は十六歳の誕生日に糸紡ぎ車の針に刺されて死ぬ」と呪いをかける。

人々が狼狽(ウロタ)える中、まだ贈り物をしていなかった善の精リラが「姫は死ぬのではなく、百年間眠り続けた後に目を覚ます」と宣言する・・・。



第一幕

 オーロラ姫の十六歳の誕生日。眩(マバユ)い程に美しく成長した姫に求婚しようと、四人の貴公子がそれぞれ贈り物を手渡した。彼らを相手に姫が踊り終えると、一人の老婆が花束を差し出す。実は老婆は変装したカラボスだった。

花束を手に踊る内に姫は、中に仕込まれた糸紡ぎ車の針で指を刺し、倒れてしまう。邪悪な本性を現し、高笑いを残して消えるカラボス。そこへリラが現れて、姫は眠りに就いただけだと一同を諭し、杖を振って、城全体を眠りに就かせる。

城の周囲では茨(イバラ)だけが茂り続け、包み込んでゆく。



第二幕

 百年後。気品に溢れ、美しいデジレ王子が森に狩りにやってきた。王子は狩りに気乗りがせず、供の者達から離れて物思いに沈んでいた。そこへリラの精が現れ、オーロラの幻を見せる。一目でオーロラ姫の美しさに心を奪われた王子は城に分け入り、カラボスを倒して姫に口づけし、眠りから目覚めさせる。



第三幕

 オーロラ姫とデジレ王子の結婚式。宝石の精や様々なおとぎ話の主人公達が華やかなダンスで祝宴を彩る。厳かな讃歌が流れ妖精達が見守る中、二人は結ばれ物語は幕を閉じる。


画像:㈶NBAバレエ団

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