細田衆院議長の追悼の辞｜『全国戦没者追悼式』終戦の日

【政治報道】　皇紀二六八二（令和四）年に日本国政府（総理：岸田文雄）は、北の丸「日本武道館」にて『全国戦没者追悼式』を開催。既報。「大東亜戦争」の戦没者数は三百十万人（軍人等；二百三十万人、民間；八十万人）。

「太平洋戦争」は米国側の呼称。昭和十六年十二月に枢密院にて「今次ノ対米英戦争　及今後情勢ノ推移ニ伴ヒ　生起スルコトアルヘキ戦争ハ　支那事変ヲモ含メ　大東亜戦争ト呼称ス」と東條内閣は閣議決定した。

三権の一角・立法府の長の一人である・細田博之（甲申）衆議院議長は、追悼の辞として「天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全国戦没者追悼式が挙行されるに当たり、衆議院を代表して謹んで追悼の言葉を申し述べます。

熾烈を極めた先の大戦では、国内外に於いて数多くの尊い命が失われました。戦場に斃（ﾀｵ）れ、或いは戦争による飢餓や窮乏、病気によって命を落とされた方々の無念に思いを致す時、悲しみが尽きません。ここに、戦争の犠牲になられた方々に対し、心より哀悼の誠を捧げます。また、掛け替えの無い家族を失われた御遺族に対しまして、深くお見舞いを申し上げます。

戦後、先人の懸命の御努力によって、我が国は戦争を経験する事無く、戦災からの復興と経済発展を成し遂げる事ができました。また、我が国は戦後一貫して平和国家としての立場を堅持しつつ、国際協調の中でアジアと世界の平和と安定に貢献して参りました。

併（ｼｶ）し、現在に於いても尚、武力衝突や紛争が各地で発生している他、ロシアによるウクライナ侵略等により、多くの方々が犠牲となっております。また、我が国を取巻く安全保障環境が複雑さを増す中、これまで以上に、我が国が国際社会の平和と安定の為に果たすべき役割が高まっていると感じます。

終戦から長い年月を経る中で、戦争を実体験した世代が少なくなり、記憶の風化が危惧されております。衆議院においても、昨年の総選挙の結果、戦前生まれの議員は十名を数えるばかりとなりました。戦争の齎した多くの犠牲や苦難、その教訓について、次の世代に語り継いでいく事は、戦争の惨禍を決して繰り返さない為にも、極めて重要であります。

我々国会議員は、改めて先の大戦に思いを致し、日本国憲法の精神を体して、恒久平和の実現に全力を尽くして参る所存です。

結びに、戦没者の御霊の安らかならん事を心からお祈り申し上げますと共に、御遺族の皆様の御平安と御健勝を切に祈念致しまして、追悼の言葉と致します。」と捧げた。

終戦から七十七年が経過した。

撮影：岡本早百合