【社会報道】 令和四年八月十五日の戦後七十七年の終戦記念日に、東京「日本武道館」にて令和四年度『全国戦没者追悼式』が挙行された。式典では天皇陛下ご臨席の下、三権の長や国務大臣、政党代表、元総理、各県の遺族代表が出席。
コロナ禍以前の式典では、会場が国会議員や遺族らで埋め尽くされる程であった。本年は例年の六分の一。一千人が参列した。参列者の八割弱は七十歳以上。戦争で犠牲になった約三百十万人を追悼した。
式典の前に行われた「遺族会見」では、遺族代表挨拶を行った大月健一(昭和十三年生まれ、戊寅)、本式典で最年長の澤崎卓児(大正十五年生まれ、丙寅)、最年少の磯野万葉(平成二十六年生まれ、甲午)、青少年献花者の簑島みのり(平成二十五年生まれ、癸巳)の四名が応じた。
<若者達には同じ様な思いは絶対させたくない>
遺族代表に選ばれた大月は、父が戦争に行った十一日後に生まれた。代表に選ばれ、「今日は久々に初めて父親に会えるかな、という様な感じで胸がワクワク致しております。」と喜びを表した。また「この追悼式というのは、亡くなられた方々を敬うという事でありまして、これからもずっとこの追悼式は続けて頂きたい、と私達、戦没子どもとして願う所で御座います。」と、戦争で家族を失った当人の意見を述べた。
最年長の澤崎は、戦争で父親代わりで合った年の離れた兄二人を亡くした。今回が初めての参列。「参列は、これが最初で最後になると思っている。二人の兄に今の私の姿を見てもらえれば。ちゃんと家を引き継いでいるので心配するなと、伝えたい。」と。
また、戦争について「若者達には同じ様な思いは絶対させたくない。」と語気を強くした。
最年少の磯野少年は緊張で言葉が出てこず、事前インタビュでは「人と人が殺し合う事はいけない事。」と答えていた。
終戦から七十七年。現在の日本、人命が戦争において直接的に失われる事は無いが、本当に終戦したのだろうか。忘れていい出来事ではないと思う。実際に戦争を体験していない世代が年々増える中、歴史という知識の継承をしていかなければならないといけないのではないか。そして、戦争の無い未来を当事者となって真剣に考えなければならないと思う。
記事:ゆとり世代・岡本早百合
0コメント